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大学卒業後、都内の会社への就職をきっかけに、家賃が安くてセキュリティもバッチリなマンションに一人暮らしを始めた。
実家から通勤できない距離ではなかったけど、朝早く起きるのは嫌。
そう思って、兄離れもかねて都内に引っ越すことを決めた。
自他ともに認めるシスコンの兄達。
特に樹くんならことある事に家に来るだろうと踏んで、万が一のスキャンダルを防ぐために両親と長兄しか自宅は知らない。
けど大家族だった分、ひとりだと心細いなんてことはしょっちゅうで、夜になるとよく家族に電話をかけてた。
いつだったか、心も体も疲れきっているのに寝付けない夜。
いつもなら私から電話をかけていたのに、珍しく樹くんから着信があった。
『...もしもし。』
「俺。」
『......オレオレ詐欺なら他当たってください。』
「珍しく1週間も連絡ないから心配したんだけど。」
いつもはツッコんでくれるのに、少し怒った声色だった。
そっか、1週間も電話してなかったんだ。
『...ごめん、仕事が忙しくて。』
「そ。」
『......で、なんか用？』
「冷たくね？いつもお前が寂しいってかけてくるくせに。」
声を聴いただけで勝手に涙が出そうだった。
社会人にもなって家族に泣き声をきかせたくなくて突き放すようなことを言った。
『用ないなら切るけど。』
「...んー用っつーか。俺も寂しかったんだよ。可愛い可愛い妹の声が聴きたくなったの。」
私の気持ちを汲んでの咄嗟の冗談みたいなものかもしれない。
でも、寂しいのが私だけじゃなかったんだって、少し楽になった気がした。
「お前、ちゃんと寝てる？飯食ってる？」
その時なんて答えたかは覚えていない。
樹くんに言われたくないって反抗したかもしれないし、強がって嘘をついたかもしれない。
けど、言われたことは今でも鮮明に記憶にある。
「嫌になったら...辞めたくなったら、辞めてもいいからな。お前一人くらい養う金あるし。なんかあったら、俺頼れよ。」
優しくて寄り添うような言葉に、ただ涙が止まらなくなった。
そんな私に最近あった面白いことや、今日あいつがな、って色んな話をしてくれた。
そういえばいつもなら言われる「いい加減家教えろ」も、この日はなくて、その後はいつもよりよく眠れた。
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な ず な *(プロフ) - Chocoさん» コメントありがとうございます！返信遅れてしまい申し訳ないです🙇♀️turning pointはこだわってページを作ったのでとても嬉しいです！ご指摘の通り重複していましたので修正しました。これからもよろしくお願いいたします！ (12月31日 22時) (
レス) id: 330d3df44c (このIDを非表示/違反報告)
Choco(プロフ) - 1話に魅せられ楽しく作品を読ませていただいてます！そういうお話の構造だったら申し訳ありませんが「a life only of the once」からのお話に重複部分があると思うのですがこれは意図的な重複なのでしょうか？これからもお話の続きを楽しみにお待ちしております。 (10月25日 20時) (レス) id: a503f63cd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：な ず な * | 作成日時：2023年2月23日 16時
