イライさん家のメイドさん【第五人格】 (ページ20)

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１９話ページ20

「おいっ！！お前！！！」

「ウ゛ッ・・・ゲホッ・・・へぇ、普通女の子の首締め上げる？しかも人前で。」

イライが止めに入らなかったら・・・それくらい強い力。

自身の首を抑えながら必死に締め上げた男を睨みつけた。

「フィオナ大丈夫か？お前も煽るな。」

「調子に乗るな。」

男は私を見下ろしながらそう冷たく言い放つ。

「Aは僕が必ず必ず必ず・・・」

男はぶつぶつとつぶやきながら教室から離れていった。

「おい、待て！・・・先生を呼んでくる。」

イライが焦るように言う。

「いいわよ、Aちゃんが悲しむわ。彼、幼馴染らしいじゃない。」

「フィオナ・・・」

なんだか私らしくないわ。こんなこと言ってしまうなんて。

「もういいわ、やめたやめた。あんなんにAちゃんが盗られるくらいなら・・・」

「イライ、Aちゃんを守りなさい。」

「私、Aちゃんと一緒にいるイライが一番好きよ。」

「ありがとう、フィオナ。かばってくれて」

「とりあえず、保健室までは連れてって。体調不良って言うから。」

「ああ、もちろんだ。」

「それと」

「次の授業、ハスター先生だから。授業録画して送ってね。」

「もちろんだ、わかったよ。」

らしくないわ、本当にらしくない。

きっと、恋する気持ちを知ってしまったから。

意地悪なんてできないわ。

２人がこんな気持ちだったなんて知ってしまったら。

「ねぇ、イライ？」

イライに背負われながら聞いてみる。

「なんだ？」

「私の恋は実るかしら？」

「実るよ。フィオナはいい女だからな、Aの次に。」

「やったわ。二番もーらい！」

『実るよ』

迷わずそう言ってくれる貴方も

なかなかのいい男よ。

ハスター先生の次に、ね。