イライさん家のメイドさん【第五人格】 (ページ19)

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１８話ページ19

「私は決めたよ。Aを困らせることになっても、自分の気持ちに正直に生きるってね！」

「はいはい、そうですかぁ～」

フィオナは興味なさそうにノートと教科書を開き勉強を進めている。

「お前が勉強なんて珍しいな。」

「そうねぇ～。ある程度は授業だけでわかっちゃうしねぇ」

「でもねぇ」

「ハスター先生の化学だけは満点トップをとりたいの！！」

「そ、そうか・・・勉強熱心なことは良いことだしな・・・」

私はそろそろAのクラスにでも行こうかな・・・

『イライさん！他のクラスの子が呼んでまーす！』

誰だろう、フィオナとの婚約を公表してから告白は減ったはずだが・・・

扉の方に目を向けると、Aと仲良くしているのをよく見かける女子生徒が立っていた。

「君はたしか・・・」

「パトリシアだ。お前に伝えたいことがある、Aのことだ。」

「Aのこと？」

「お前、私たちのクラスに転校生が来たことを知らないか？」

「そういえば、そんなこと誰かが・・・」

「その転校生が」

「やぁ、こんにちは！お前がイライ・クラークで間違えないよね？」

「お前・・・つけてきたのか。」

彼女との会話に割って入ってきたのは、やけに親しげに話しかける男だった。

「あぁ、私だ。」

「じゃあ、担当直入に。Aちゃんを解雇してくれないかな？」

「はぁ？なんでそんなことを・・・」

「僕とAちゃんの愛に君が邪魔だからだよ、説明しないとわからないの？」

「・・・なるほどな、大体わかったよ。ありがとう、パトリシア。君は先にAのところに戻ってくれ。」

「ああ。」

「私はAと一緒にいる。これは揺るがない。」

私は昨日決めたんだ。

今のままでいいなんて思わない。

彼女と将来を共にするために、もう迷ったりしない。

「僕とAちゃんは両想い・・・昨日の花束は喜んでもらえたかな？」

「あれは君が贈ったものか。でも君にAは渡せない、両想いでもだ。君といるAは不幸にしかならない。」

「どうして？？？」

「君はAの周りの人間を傷つける。」

「それの何がいけないの？」

「お前・・・」

「ちょっとちょっと、ストップよ～」

「フィオナ・・・」

「もう授業って私に言わせる～？そ・れ・と、怖いお兄さん？嘘は吐かないの」

「何が。」

「両想いなんて嘘、空しくならないのぉ？」