《まひとくん。×弱音×花》 ページ29
「..........はぁ」
口から漏れたため息は、自室の空気に溶ける。
それだけで部屋の空気が重くなった気がして、息苦しさを感じた。
こういう時は、君に甘えるのが1番。
部屋を出てリビングに向かう。
今日はなんの予定も無い筈だし、いつも通り君はリビングにいると思った。
「あれ.....?」
でも、君の姿はなくて。
慌ててスマホを確認するけど、君からの連絡は一切入ってない。
急に不安になって、出かける支度をする。
何処にいるか検討もつかないけど、このままじっと家で待ってる方が落ち着かない。
玄関の扉に手をかけた時、ドアがひとりでに開いた。
「わ.....っ!まひとくん?どっか行くの?」
「こっちの台詞だよ!何処行ってたの!?」
「え.....近くのお花屋さん。すぐそこだし、まひとくん忙しそうだったから言わなくてもいいかなって.....心配させちゃった?ごめんね」
そうやって申し訳無さそうに謝る君を軽く抱き締めて、2人でリビングに戻る。
「何買ったの?」
「デイジー。丁度黄色のやつ欲しかったんだよね〜」
早速ベランダに花を置く君。
そういえば、花が1つ枯れちゃったって言ってたっけ。
「黄色のデイジーの花言葉はね、ありのまま、なんだって」
「へぇ〜」
「だから、まひとくんはまひとくんのままで良いんだからね」
突然放たれたそんな言葉に、首を傾げてしまう。
「まひとくん、最近活動のこととかで悩んでたみたいだから.....まひとくんのままで良いんだよ、って伝えたくて」
そう言って、君は照れたようにはにかむ。
僕が悩んでること、君には気づかれちゃってたんだね。
「ありがとう」
お返しとしてはほんの少しかもしれないけど、感謝の気持を込めて、僕は君の頬にキスを落とした。
79人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
lynx(プロフ) - 引 退 ち ゃ んさん» あっちでもあんな素敵な言葉をありがとう.....!貰ってばっかりだね。引退ちゃんの世界が、少しでも多くの色で彩られますように.....私にとっても、引退ちゃんは大切な友達だよ! (2021年10月5日 8時) (レス) id: 5f710f9da6 (このIDを非表示/違反報告)
lynx(プロフ) - 引 退 ち ゃ んさん» いえいえ。いつも素敵な作品を届けてくれる引退ちゃんに、ほんの少しのお礼ができれば.....というより、他の人達が引退ちゃんに向けて作品を書いてるのを見て、私も何かしたいな.....と思って書いたものだから.....お礼は寧ろ、他の人達に言って欲しいな (2021年10月5日 8時) (レス) id: 5f710f9da6 (このIDを非表示/違反報告)
引 退 ち ゃ ん(プロフ) - … こっちで言うのは止めておこうかな。って思ったんだけど…我慢出来なくなっちゃった…。素敵な作品を作ってくださり本当に有難う御座います…!凄く凄く感動しました。有難う、これは私の一生の宝物です。 (2021年10月5日 0時) (レス) id: aeb8a1c613 (このIDを非表示/違反報告)
Syuger(プロフ) - lynxさん» わかりました!ではボードの方にお邪魔させていただきます! (2021年9月15日 16時) (レス) id: 8f6c245fd9 (このIDを非表示/違反報告)
lynx(プロフ) - Syugerさん» Syuger様、コメントありがとうございますm(_ _)mお褒めの言葉嬉しいです.....!Twitterは申し訳ないんですけどやってなくて.....ボードでよろしいでしょうか? (2021年9月15日 12時) (レス) id: 5f710f9da6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:lynx | 作者ホームページ:http://user.nosv.org/profile
作成日時:2021年8月19日 23時