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(youーside)


その日、早めに解散して。


客室を借りて一夜を明かす。



だけど、1人で慣れない部屋だと、何だか落ち着かなくて。





翌朝、夜明け頃には完全に目が覚めた私は、朝の空気を吸おうと庭に出た。







「あ、おはようございます」


父「おはよう」



そこには1人、先客がいて。



多少の気まずさを感じつつも、挨拶を返してくれた事を嬉しく思った。





父「……隆弘は、どうだ」



小さく掛けられた問いの意味が分からなくて惚けると。



父「頑固者で、周囲に迷惑かけてばかりじゃないか?」



もう一度言い直してくれて、その問いが隆弘の仕事についてだという事が分かった。



「確かに隆弘さんは、仕事では誰よりも仲間と衝突する事が多いですね」



メンバーとも、スタッフとも。


勿論みんな妥協はしないけど、隆弘のそれは特に強い。



納得いくまで突き詰めて、貪欲になって。




たまに。


そんな隆弘についていけないと、現場を去ってしまう人だっていた。




「でもそれは、誰よりも仕事を大切にしてるから。最高のものを作ろうとしてるからって、皆ちゃんと分かってますから」



不器用なその想いは、いつでもブレる事だけはない。



「そんな隆弘さんを、私も…メンバーも、スタッフも尊敬しています」


父「…昔からそうだった」



無表情のまま。


仕事中の隆弘と何処か似た雰囲気を纏ったお父様が口を開く。



父「芸能界なんぞ先の見えない場に飛び込んで。音楽の事しか見向きもせず、親の言葉なんて聞きやしない」


「……」


父「挙げ句の果てに、初めて連れてきた女性も同じ業種で働いている」


「…、」



それに関しては何も言えない。



「お父様が不安に思うのも当然です。私達は決して安定した世界にいるわけではないですから」



ここまでだって、どちらかと言えば大変な時期の方が多かった。



芸能人って残酷なもので。


注目を集めれば、沢山の機会を得られる。



だけど、それを逃せばもう2度と巡ってこない。




そんなシビアな世界で生きることを、喜ばない親だっているだろう。





父「…だが、それでも隆弘は芸能界で生きる事を選んだ」



真っ直ぐに私を見つめたお父様は続ける。



父「そんなあいつにとって、貴女は欠かせない人なのだろう」


「っ」



父「綾瀬さん、あいつを頼みます」



その言葉はとても重みがあって。



どうしてか声は出なかった。


だけど、力強く頷いて返したのだった。

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(プロフ) - 海音さん» ありがとうございます!次章もマイペースに更新していきたいと思っておりますので、またよろしくお願い致します! (2月20日 20時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
海音(プロフ) - 楽しく読ませて頂いてます!すごく面白いです!!次の章も楽しみです!これからも頑張ってください!! (2月19日 23時) (レス) id: 8f38073b2c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆうさん» かなり長かったと思うのですが、ありがとうございます!マイペースな展開と更新になりますが、これからも頑張って参りますので、お付き合い頂ければ嬉しいです! (12月14日 18時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 最初から一気に読んじゃいました!笑 とっても面白かったです! これからも頑張ってください! (12月14日 16時) (レス) id: 3d09ff0bd0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - EYさん» ありがとうございます!ゆっくりで良いとお気遣いまでして頂き、本当に嬉しいです。マイペースに頑張って参りますので、これからもよろしくお願い致します! (11月18日 20時) (レス) id: 00727ba42b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年11月9日 18時

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