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(chizuruーside)


詩ちゃんが帰ってきて数日。





千「ごめんなさいね、大したおもてなしも出来なくて…」


西「いや、こちらこそ急に押し掛けてすみません」



AAAメンバーである、西島隆弘くんが尋ねてきた。



西「詩、どうですか?」


千「熱は殆ど下がってるの。起きてると思うから、部屋に案内するわ」


西「あ、先に千弦さんに話したい事があって」



隆弘くんは緊張した面持ちで背筋を伸ばして。





西「実は、詩とお付き合いさせて頂く事になりました」


千「…!」


西「俺はご存知の通りこの身分だし、詩にも苦労をかけると思います」



わざわざ私に言ってきてくれたのは。



西「でも、必ず守るとお約束します」



本当に大切に思ってくれてるからだと分かる。



西「詩の居ないところで言うのも何だけど……でも、千弦さんには認めて欲しいと思って」




千「詩ちゃんって……チョコレートが好きなのよね」



ポツリと呟いた私に、隆弘くんは不思議そうな顔をしながらも頷く。



千「甘いものが好きで、特にココアが好物」


西「…昔から、変わらないですね」



隆弘くんの言葉に、私は自嘲気味に笑った。





千「知らなかったのよ、私。この年まで、あの子の好物すら知らなかった」


西「…!」



千「認めてほしいと隆弘くんは言うけれど、そんな資格…私にはないの」



看病していて、私の対応に戸惑う詩ちゃんを見て、思い知った。



千「私は、最低な母親なの」



私には、詩ちゃんの選択に口を出す資格なんてない。




千「だから、詩ちゃんには好きに…自由に、生きてほしいと思う。私の許可なんて必要ないわ」



これから先も、私は娘の選択を応援こそすれど、邪魔する事はないだろう。





西「…俺は、」


千「ただ、1つだけ言わせて」



許されなくていい。


許さないでほしい。




ただ。





千「あの子を好きになってくれて、ありがとう」




自分があげられなかった幸せを。



どうか沢山得てほしいと、願わせてほしい。





西「っ俺、本当は千弦さんにもっと伝えたかった事があったんです」



身を乗り出した隆弘くんは、優しい笑顔を浮かべた。





西「詩を俺と出会わせてくれて、ありがとうございました」


千「っ」





ずっと、後悔していた。




自分の道が、決して間違いだけではなかったのだと。



少しだけ、許されたような。



そんな気がした。

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(プロフ) - 海音さん» ありがとうございます!次章もマイペースに更新していきたいと思っておりますので、またよろしくお願い致します! (2020年2月20日 20時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
海音(プロフ) - 楽しく読ませて頂いてます!すごく面白いです!!次の章も楽しみです!これからも頑張ってください!! (2020年2月19日 23時) (レス) id: 8f38073b2c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆうさん» かなり長かったと思うのですが、ありがとうございます!マイペースな展開と更新になりますが、これからも頑張って参りますので、お付き合い頂ければ嬉しいです! (2019年12月14日 18時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 最初から一気に読んじゃいました!笑 とっても面白かったです! これからも頑張ってください! (2019年12月14日 16時) (レス) id: 3d09ff0bd0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - EYさん» ありがとうございます!ゆっくりで良いとお気遣いまでして頂き、本当に嬉しいです。マイペースに頑張って参りますので、これからもよろしくお願い致します! (2019年11月18日 20時) (レス) id: 00727ba42b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年11月9日 18時

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