16 ページ17
(nishijima-side)
西「俺、もう諦めなくても良いよな」
「……、」
西「まあ、もう絶対離すつもりないけど」
少し痛いくらいに私を抱き締めて。
それでも、言葉とその態度はどこまでも暖かい。
「私……にっしーを好きでいて、良いの?」
西「前にも言ったじゃん」
暖かくて、大きな腕の中で問うと、私の肩に顔を埋めて、にっしーが呟く。
西「俺を好きになって……って」
まさか忘れた?
少し拗ねたような口調。
ギュッと心に広がっていく甘くて暖かい気持ちに。
「覚えてる」
私もその背中に腕を回して、思いきり抱き締めた。
西「俺らは一般人とは違うから、堂々とデートしたりできないし、これから先詩が傷付くこともあるかもしれない」
「…それは、にっしーだって一緒でしょ」
西「違うよ。変だとは俺も思うけど、女子メンバーってだけで周りの目は変わってくる」
密着していた身体を少し離して、真正面から向き合った。
西「でも、俺はもう詩の事、離せないと思う」
「、」
西「詩が好きだ。俺の恋人になって?」
にっしーに、こうして想いを伝えられたことは以前にもある。
でも、今までとは違う。
胸が苦しくて、暖かくて。
「……はい、よろしくお願いします」
こんなにも幸せなのは、初めてだ。
私の返答に、ニッと笑ったにっしーはゆっくりと目を閉じる。
「え……?」
体重がかかって、グラリと揺れた身体は、ベッドに寝転がった。
西「じゃあもう一眠りしよ。詩はまだ熱あるし、俺も寝不足だし」
「っ」
私を抱き締めたまま眠るつもりらしい。
心臓がドクンと大きな音を立てるけど。
彼の胸に顔を埋めれば、少し甘く感じる匂い。
──にっしーの、匂いだ
緊張しないこともないけど、それ以上に落ち着いて。
私も目を閉じて、次第にやって来る眠気に身を任せたのだった。
308人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海(プロフ) - 海音さん» ありがとうございます!次章もマイペースに更新していきたいと思っておりますので、またよろしくお願い致します! (2020年2月20日 20時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
海音(プロフ) - 楽しく読ませて頂いてます!すごく面白いです!!次の章も楽しみです!これからも頑張ってください!! (2020年2月19日 23時) (レス) id: 8f38073b2c (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - ゆうさん» かなり長かったと思うのですが、ありがとうございます!マイペースな展開と更新になりますが、これからも頑張って参りますので、お付き合い頂ければ嬉しいです! (2019年12月14日 18時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 最初から一気に読んじゃいました!笑 とっても面白かったです! これからも頑張ってください! (2019年12月14日 16時) (レス) id: 3d09ff0bd0 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - EYさん» ありがとうございます!ゆっくりで良いとお気遣いまでして頂き、本当に嬉しいです。マイペースに頑張って参りますので、これからもよろしくお願い致します! (2019年11月18日 20時) (レス) id: 00727ba42b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:海 | 作成日時:2019年11月9日 18時