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(sueyoshi-side)
末「詩が今、何に悩んでるかなんて聞かないけどさ、」
聞かなくても分かる。
だから、敢えて無理に言葉にさせる必要なんてない。
末「詩が感じてること、考えてること。それは悪いことじゃない」
「……、」
人間として当たり前の感情。
悩んだり、誤魔化すように仕事に没頭したり。
それすらも失えば、俺達はアーティストとして何も生み出せなくなるだろうから。
「……分かんないの」
末「分かんない？」
「今まで、こんな風に考えたことがなかった」
詩は少し顔を歪めながら、ポツリポツリと言葉を溢す。
「いつの間にか、私が隣にいるのが当たり前だって思ってた」
……正直、俺から見ても‘あいつ’が詩の側にいるのは当たり前の光景になっていた。
「にっしーの音楽を１番に理解してるのは私だって、私の音楽を１番理解してくれてるのはにっしーだって…」
昔から、歌で繋がってきた２人。
勿論俺らだってそうだけど。
この２人の場合、また少し特殊なようにも思える。
「この先もそれは変わらない……って、何て傲慢な考えなんだろうって」
今まではそれで良かった。
でもその関係性は、恋情が混ざった事で少しずつ歪み始めて。
詩は今、答えを見つけられずに迷ってる。
末「それは、メンバーとしてって事？」
「うん。……？」
ここまできて詩は、まだ自分で気がついてない。
──そんなの、西島に対して恋情を持ってるって言ってるようなもんなのに
……ひょっとすると、これが詩の初恋に近いのかもしれない。と思った。
昔、恋人がいたことは知ってるけど、それは寧ろ家族の親愛に近いような気もして。
──まあ、詩の気持ちなんて本人にしか分からんけど
末「良いんじゃね？ 傲慢でも何でも」
「……え？」
末「何回も言ってんじゃん。遠慮すんな」
取り繕う必要も、格好つける必要も今更ない。
醜くったって、良いだろう。
だって、詩はずっと自分の本音を隠して、繕って生きてきたんだから。
もうそろそろ、俺ら相手には解放してほしい。
「……うん、」
ふ、と微笑んだ詩が頷く。
その笑顔が、数分後に崩れる事を、俺は最後まで気付けなかった。
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海(プロフ) - きこさん» ありがとうございます！9thもマイペースではありますが頑張って更新していきたいと思いますので、またよろしくお願い致しますm(__)m (2019年11月1日 19時) (
レス) id: 00727ba42b (このIDを非表示/違反報告)
きこ - ほんとにこの話大好きです！いつも楽しく読ましていただいてます。9thも楽しみに待っているので頑張ってください！！ (2019年11月1日 0時) (レス) id: b62633c036 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - 迷える小熊さん» ありがとうございます！綾瀬に感情移入して下さってるという事で、とても光栄に思います。２歩進んでは１歩戻って、また進んで…という子なのですが、持ち前の努力する力はぶれずに描いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願い致します！ (2019年10月30日 21時) (レス) id: 00727ba42b (このIDを非表示/違反報告)
迷える小熊 - いつもドキドキしながら読ませていただいています。何回も読み返していてその旅に大号泣。詩のように努力家になりたいって感情移入しちゃうほどです。これからも更新楽しみにしています。頑張ってください！応援してます！！ (2019年10月30日 4時) (レス) id: c3a588e705 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海 | 作成日時：2019年7月10日 22時
