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(you-side)
「実彩子…皆も、本当にありがとう」
お母さんがにっしーと2人で話したいことがあるからと出ていって。
残ったメンバーに頭を下げると、実彩子が苦笑した。
宇「私は何もしてないよ」
與「俺らも大してなんもしてないで」
「そんな事ない」
皆がいなかったら、お母さんとも和解できなかった。
それ以前に、真鍋さんに追い詰められて自分でも何をしていたか想像できない。
「皆がいたから、私はこれからも思いっきり歌える」
日「お礼なら俺らよりも、さ」
浦「そうそう。にっしーに言いな」
だっちゃんとリーダーの言葉に、私はチラリと実彩子に目を移す。
宇「千弦さんが来るように説得したの、にっしーだよ」
「!」
にっしーがお母さんの心を動かした。
その事実に、何処と無く納得する自分もいて。
相手に誤解もされやすいけど、にっしーの言葉はいつだって真っ直ぐで、心の奥まで突き刺さる。
──私も、
何度助けられたんだろう。
真鍋さんの事で追い詰められていた私を救ってくれたのも。
歌えなくなったときに、隣で力をくれたのも。
初ドラマで見守ってくれたのも、そっと声をかけてくれたのも。
数えれば、もうキリがないくらい。
私はにっしーに。
西『詩』
──あの笑顔に、救われてる
「……」
伊「詩?」
「あ、うん。後でお礼言っておくね」
キュ、と胸の奥が締め付けられるような……それでいて何処か温かい心地に囚われたけど、ハッと意識を戻す。
浦「じゃあさ、折角集まったし写真撮っとく?」
末「良いな。誰か携帯……あ、莉子ちゃん撮って」
莉「構いませんけど西島さんまだ帰ってきてませんよ」
宇「準備だけしとこー」
與「取り敢えず先に7人で撮ったら?で、そっちをSNSに挙げて、にっしー入れた8人のはまた別で撮ったらエエやん」
西「普通逆だろ!8人のを挙げなさい!」
伊「あ、帰ってきた」
丁度タイミングよく帰ってきたにっしーに笑って。
千「良かったら私が撮りましょうか」
莉「あ、いえ。それより、一旦8人で撮りますけど、その後入られてはどうでしょう?」
千「でも、」
「お母さん、一緒に撮ろう」
遠慮するお母さんにそう言って。
私を中心にして、全員で写真を撮った。
莉「はい、チーズ!」
掛け声の瞬間、にっしーの手が私の肩に乗せられて。
「っ」
さっきも感じた鼓動が1つ音を立てた。
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海(プロフ) - くみさん» ありがとうございます!楽しんで頂けて、とても嬉しいです♪しかもかなり長かった筈なのに一気読みして頂いたとは…!本当にありがとうございます!マイペース更新ですが、これからも精一杯頑張りたいと思いますので、よろしくお願い致しますm(__)m (2019年6月22日 8時) (レス) id: 00727ba42b (このIDを非表示/違反報告)
くみ(プロフ) - ものすごく楽しいです!!昨日から一気に読んでしまいました!これからも楽しみにしてますね! (2019年6月21日 12時) (レス) id: 9ac3551b76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海 | 作成日時:2019年3月24日 19時