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(uno-side)
特別なことをしたい。
最初に話を持ちかけたのは、にっしーだった。
確かに、昔は毎年やっていたけど、最近は忙しくておざなりになっている部分もあって。
ただ、言葉で済ませて後日改めて……なんて事も珍しくない。
だけど今年は、初めてワンマンライブとして出来るから。
AAAメンバーと、スタッフと、ファンが集まるこの場所で。
詩にとって、最高の思い出を作りたい。
そう言ったにっしーに、皆が賛成した。
まず案として上がったのは、ビデオを流すこと。
昔の写真とかないのかって聞かれたけど、私は高校の時の写真しか持ってなくて。
幼い頃の写真を貰おうにも、詩の家族で連絡のとれる人はいないから。
……何より、詩にとって家族の思い出は、決して良いものばかりじゃないかもしれない。
そう思ったから、その案はなくなった。
次に考えたのが、歌を歌うこと。
詩は自他共に認める、歌が大好きな子。
そして、誰よりも私達一人一人の歌を聞き込んで、愛してくれている子。
癖も、得意なとこも苦手なとこも、詩以上に私達の事を理解してる人はいないんじゃないか。
だからこそ、歌で返したい。
私達の感謝の気持ちを。
途中加入してから、詩はずっと歌と、AAAと向き合ってきてくれていたから。
だからそんな大事なメンバーに。
「え……!?」
暗転した会場。
戸惑う詩に、私も何だかドキドキしてきて。
続いて、詩だけがライトに当たって、また戸惑ったように固まるのだから、少し笑ってしまう。
歩いて、詩の前まで行くと、今度は私にもライトが当たる。
「実彩子…?」
何これ?
目で訴えかけてくる詩にニコリと笑った。
──ねえ、詩
初めて会った日から、大好きで尊敬する私の親友でメンバー。
──そんな詩に、
宇「Happy birthday to you おめでとう 生まれてきてくれてありがとう」
私達からの、誕生日プレゼントを。
歌にして、送りたい。
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海(プロフ) - めいさん» 連載を始めてからかなり長くなりますが、ずっとお付き合いして下さりありがとうございます!お待たせしてしまい、すみません…。明日の夜頃に続編を出したいと思っておりますので、またよろしくお願い致します!! (2019年3月23日 22時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
めい - こんにちは!このシリーズがではじめてからずっと読んでます!続きが気になりすぎて来る度に毎回読み直してます!お忙しいかもしれませんが更新楽しみに待っています! (2019年3月22日 16時) (レス) id: 9ffa7d3de5 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - きこさん» 勿体ないお言葉をありがとうございます(ToT)マイペースですが、楽しんで読んでいただけるようこれからも頑張ります! (2018年12月29日 10時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - ららさん» その予定ではありますが、何しろ私のお話は驚くほど展開がゆっくりなので、まだまだお話は長くなる予定です。様々な波乱も起きつつ、マイペースに進んで参りますので、お付き合い頂ければ幸いです! (2018年12月29日 10時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
きこ - このお話1番好きです!これからも頑張ってください! (2018年12月27日 22時) (レス) id: 5d0b75568f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海 | 作成日時:2018年12月9日 21時