淡恋 _ｱﾜｺｲ_ 【zm】 (ページ34)

今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:4,563 hit

雪がさんじゅうよんこページ34

そして、その沈黙を破るようにゾムがまた話し始める。

「俺、また間違えてしもた。大切にするって言うたんに、守れへんかった。けど、またひとつ学んだから。もう絶対に間違えへん。」

「Aが、今でも大好きや。愛してる。遅いってわかってる、けどごめん。シャオロンの言う通り、自分の気持ちを優先させるべき場面もあるって思ってん。」

「俺と、婚約してくれませんか。」

その言葉とともに差し出されたのは、あの日埋もれてしまったみどりいろが光り輝く指輪。

何を言いたいかも吹っ飛んで、全てがこらえきれなくなり涙を流して答えた。

『もちろん、よろしくお願いします』

そういうとゾムは少しの驚きと、少しの涙と、たくさんの笑顔を浮かべてAを改めて両腕でしっかりと包み込んだ。

そして愛しそうな、宝物を愛でるような目でAを見つめ、優しく唇を落とす

ツートンカラーの指輪を左手の薬指にはめてくれた。

先ほどまで降っていた雪は、気づけばやんでいた。

そして、庭には白とみどりいろのツートンカラーが残っていた。