淡恋 _ｱﾜｺｲ_ 【zm】 (ページ4)

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雪がよんこページ4

予想よりも速攻で決まったそれを買い終わると2人は店を出た。

ちょうど、私たちが婚約をする1週間前に出来上がるらしい。

普段より気分が良く、嬉しさを隠さずにゾムと繋いでいない方の手でマフラーに触れる。
その様子を見ていたゾムは

「そんなにそのマフラー気に入ったん？いつも俺が着けてるやつやけど。あげるわ。」

と言って笑顔を見せる。彼はいつでも優しい。
そんな彼が愛しくてたまらない。

『マフラーを気に入った、っていうかゾムのだからいいなって思って』

そんなことを言うと

「あかん、可愛ええ」

と顔に手を当てるゾムも重症だろう。

隣を通り過ぎる誰にでも浮かれてるバカップルだと思われるほど私たちはふわふわしていたかもしれない
それでもいいやって心から思えるほど幸せな時間だった。

ただ何をする訳でもなく街を歩いて、適当にお店に入りご飯を食べる。
ゾムとの会話は途切れない。
たくさん笑って、話して、たまに冗談を言い合って

１日中恋人繋ぎをして歩きまわった。
ゾムと一緒にいられて幸せだなぁと改めて感じた日だった。

帰り際の、あの瞬間までは。