淡恋 _ｱﾜｺｲ_ 【zm】 (ページ11)

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雪がじゅういっこページ11

『ふう、』

手を組んで背中を伸ばし、時計を見ると昼の時間を指していた。
昼食を摂るために1度出て、スマホを確認しようとした途端にゾムから電話がかかってきた。休憩の時間をつたえてあるからだろう。

何か、あったのだろうか。そう思いながら電話をとる。

『もしもし、ゾム？どした？』

「A、仕事中にすまんな。」

『いや、休憩だから大丈夫だよ。それよりなんかあった？』

というとゾムは一呼吸おいて話す

「や、大した話では無いねんけど。…また、元カノの両親から電話がかかってきてな。」

その一言で私の目の前はゆがみ始めた。

『…え、うん。それで？』

何とか声をふりしぼり続きを聞く。

「また、すぐに来て欲しいって。…優羽が、俺の名前を、呟いてるらしいねんな。」

ゆう、と元カノの名前がゾムの口から発されたことを脳が理解すると、ドクドクと早くなっていく心臓の音がうるさくてゾムの声が聞き取りづらくなっていく。

「…もちろん行ってへんで。ただ、Aに言っとかなあかんとちゃうかって思ってん、…」

『そ、か、』