小児科病棟の王子様

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亜嵐side


あれから、数日経っても


食べ物も口に入れてくれなくて

一言も喋らない




そんな話を聞いて

涼太の父親でもある医院長の

HIRO先生が病室に来てくれた






HI「涼太、久しぶり！」





涼「…ﾊﾟﾊﾟ」



すごく、小さい声でパパと呼んだ涼太





HI「涼太、元気にしてたか？」




涼「ぅん…」




HI「じゃあ、お土産！

暫くは日本に居られるから」






涼「どこいってきたの？」





HI「今回は、アメリカに行ったよ！

涼太の好きそうな人形とか

おもちゃがいっぱいあったから

買ってきちゃったよ〜笑」






涼「本当に!?ほしー！」





HI「良いよ！でも、涼太」





涼「ん？」





HI「最近、ご飯食べてないんだって？」







涼「ん…」





HI「パパ、涼太が美味しそうに

ご飯食べてるとこ好きだなぁ

お腹空いてるでしょ？

パパと一緒に食べよっか？」






涼「うん！」




びっくりするくらい

素直にご飯を食べてくれた


でも、暫く食べてなかったから

いつもの量はキツイみたい…






涼「もういらない…」





HI「よく、頑張った！

じゃあ、これ！」






涼「ありがとう！」





いくつか貰ったけど

犬のぬいぐるみが気に入ったみたい







涼「パパぁ、今日ずっと一緒？」






HI「んーパパ、お部屋でお仕事しなきゃ」





涼「りょうた、パパが良い」






「涼太、俺といよう？」





涼「…」






HI「わかった、涼太

パパのお部屋のベッドで寝ような？」







涼「うん！」







完全に俺、無視された…




昔の医院長の奥さんが

病気だったから

医院長室にベッドが1台置いてある



暫く、そこでHIRO先生に

見てもらうことになった






HI「じゃあ、何かあったら

連絡するから

他の患者さんをよろしくね」






「はい、すみません。俺達が…」





HI「いや、恐らく暗所恐怖症だろう

暗いとこを嫌がるし、暗いものに嫌がる

そのうち慣れるだろうから

こっちの病室に戻るのも時間の問題だ」






「さすが、HIRO先生です

よろしくお願いします」





HI「久々に、親子水入らずだな笑」






「ですね笑」





HI「よし、涼太行こうか？」






涼「だっこぉ！」





HI「ん、抱っこ？よいしょっと

大きくなったな」







涼「ん、パパのにおいー！」






HI「あはは笑…じゃあ、またね」





「はい！」

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