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「それは喜劇か悲劇か」 【エボルト】 ページ6

どんどん列が短くなっていく。前列でシャッターを切る音が近くなっていくにつれ、Aの鼓動も早くなっていくのがわかった。
人々の頭の隙間からグランドジオウやウォズの姿が見えてきた。ついでに悲鳴も聞こえてきた。

グイグイつま先のびをして覗き込んでみると、握手会はグランドジオウ、ゲイツ、ウォズ、クローズビルド、グリスパーフェクトキングダム、そしてなぜかそこそこ距離を置かれた所に最推し、エボルトの姿があった。

ビルド達が小さい子供に膝をついたり、チビぬいを持った大きなお姉さんにファンサしているのに対し、エボルトはダルそうに立って握手しているだけでだった。
お姉さんが黄色い悲鳴を上げながら握手しても、男の人が膝をついて忠誠を誓うように握手してもエボルトは興味無さそうに受け流していた(まあ相手もそれで喜んでるんだけどネ!!)

「最後はお姉さんですね!握手どうぞ〜!」

そしていよいよ私の番がきた。MCのお姉さんがにこやかに迎えてくれるがもう心臓が喉から飛び出そうなくらいドキドキと音を立てている。あと周りの人のシャッター音やばい。
前の人が進み、私もそれに続く。そしてグランドジオウを筆頭に私の握手会が始まった。

すっと手を差し出してくれる光り輝くグランドジオウ(仏壇フォームとか言わない)に感動しながら固く握手を交わした。物理的にも固かった。礼を言って手を振ると手を振り返してくれた。ソウゴくんまじ魔王。
そしてゲイツ、ウォズと瞬く間に握手会は進む。

クローズビルドの戦兎の方と握手して万丈とグータッチをする。グリスパーフェクトキングダムとハイタッチをして先に進む。そこにいたのは我が最推し。エボルトさんであった。
真っ黒の面に赤と青の腕。腰から伸びる美しきひらひら。圧倒的美とセクシーがそこにあった。

すっかり立ちすくんでしまった私にスタッフさんが背中を押されてやっとの思いで私の手を差し出す。
エボルトさんがそれを、掴んだ。握手した。
ハザードレベルを測定された。あの手で。テレビでみていたあの推しの、エボルトさんの手で。感動のあまり、私の頭がパンクしそうになった。

「かっ…かっこよかったです…!!」

とにかくこれだけは言おうと混乱した頭から振り絞った言葉は震えていた。けれどエボルトは微かに頷いて返してくれた。気の所為かもしれないがそれだけで嬉しくて泣きそうになった。

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フォンフォン(プロフ) - 千軒さん» コメントありがとうございますー!そう言ってくださると嬉しいですへへへ!私も不穏なお話好きなのでこんなのばっかになると思いますがこれからもどうぞよろしくお願いします!! (2019年9月28日 23時) (レス) id: 22691e9869 (このIDを非表示/違反報告)
千軒(プロフ) - エボルトさんの話ハッとするし、穏やかじゃない感じの終わり方控えめに言って大好きです…。ビルドミリしか知らない人間なのですがアホの子いっつもすごい楽しんで見てます! (2019年9月28日 22時) (レス) id: 6870d38bb4 (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - リンさん» リン様!!大!変!!お待たせ致しました!!!本当に申し訳ないです…こんなアホみたいな作者ですけれど、また読んでくれると嬉しいです…よろしくお願いします! (2019年8月20日 22時) (レス) id: 22691e9869 (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - 大食いさん» コメントありがとうございます!評判がよかったらまた書こうかな?と思っております!のんびりですけど、よろしくお願いします! (2019年8月20日 22時) (レス) id: 22691e9869 (このIDを非表示/違反報告)
大食い - はじめまして!しんご君成り代わり読ませて頂きました!いや…もう…可愛すぎて語彙力が溶けてしまいます。そしてショック受けるその他ライダー達が面白かったです!もし機会があればまたこの子のお話が読みたいと思いました! (2019年6月29日 18時) (レス) id: 8f2c7b8828 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フォンフォン | 作成日時:2019年1月16日 22時

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