「憑かず、離れず、電車斬り!」 6話 ページ43
「もしかしたらこれ、君のことなのかも」
良太郎が少し傷がついた時計の胎盤をなぞる
そこには"the past should give us hope"と刻まれていた
「"過去が希望がくれる"…侑斗、僕も犠牲にする気はないよ。君が何枚カードを使ったって、僕は絶対忘れない。姉さんの記憶も取り戻す」
良太郎はそう言い切ると、侑斗の前にカードを差し出した
侑斗はそれをじっと見つめると、良太郎の手からしっかりと受け取った
「…それで、いいよね」
「…ああ、十分だ」
2人で懐からベルトを取り出す
そして良太郎はパスを取り出し、侑斗はケースからカードを取り出す
同時にそれを翻し、それぞれのバックルに装填する
「「変身」」
ブワリと大きな風が吹き、2人の体を鎧が包んでいく
顔のマスクが装着されると、背後からデンライナーとゼロライナーが飛んできて2人を乗せて過去へ飛んで行った
─────────────────────
「あ゛ーーーッ!!超忙し!!」
「ほら言わんこっちゃない!」
店に並ぶ客を捌きまくるAにさゆりも必死に商品を並べまくる
それでも減らない客と減りまくる在庫にAはブチ切れ寸前だった
「あれ!?商品は!?」
「今切れた!ソウゴが取りに行ってる!」
「うっそでしょ」
既にお金を払ってしまったお客さんに頭を下げて裏方で用意しておいた品切れの紙をレジに張り出す
散っていく客にほっと息をついていると、ひやりとした感触が頬に触れた
「ほらよ、有難く受け取れや」
「ん、ありがと」
さゆりがいつの間にか持ってきてくれた缶ジュースを受け取ってそれを一気に飲み干す
ふうとため息をつくと、今までの忙しさが嘘のように感じた
「これキッついわ〜午後持つかな〜」
「何よ、社畜のくせに随分軟弱ね」
「社畜言うな!」
パン屋は違うんだよ!
望んで働いてるから社畜じゃないんだよ!
と言うと「支離滅裂な思考、発言」と返されてなにも言い返せなくなった。悔しい。
そう話していると、ふと受付の前に人影が現れた
「あ、すいません。今ちょうど売り切れてまして…」
そう言い終わる前に目の前の人がカメラを構えてシャッターを切った
カチリという音とフラッシュにビックリしていると、その人が笑ったような声が聞こえた
「いや、これだけで十分だ」
その人はピンクのカメラを持ってそのまま去っていった
「…え?誰?」
「…広報の人、かな…?」
取り残された私とさゆりはその場でポカーンと固まっていた
「憑かず、離れず、電車斬り!」 7話→←「憑かず、離れず、電車斬り!」 5話
83人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「特撮」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フォンフォン(プロフ) - 朱音さん» はい、見ましたよ。 (2018年12月26日 17時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
朱音 - あの、質問なんですが。 今、仮面ライダーの最新の映画やっていますよね?作者は見ましたか? (2018年12月26日 16時) (レス) id: 0b354d0f43 (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - ぱずー@靖子乱舞さん» こちらこそ声掛けてくださってありがとうございます。めちゃんこ嬉しかったです。お互い頑張りましょうね! (2018年12月26日 0時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
ぱずー@靖子乱舞 - あっあっまさかご存知だったとは…(昇天)はい、ジオウの小説を書かせて頂いております。こう言うのはおこがましいかもなんですが、これからもお互い頑張りましょう。 (2018年12月25日 22時) (レス) id: e8b283460b (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - ぱずー@靖子乱舞さん» そう言って下さるとすごく嬉しいです。ありがとうございます!あの、ぱずー様もジオウの小説書かれてましたよね?勘違いだったらごめんなさい…。のんびり進んでますが、これからもよろしくお願いします! (2018年12月25日 16時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:フォンフォン | 作成日時:2018年11月26日 14時