「クライマックス刑事(デカ)」 10話 ページ5
「いい加減にしろ」
その声は少し低くも女の声だった
そして、その声に良太郎が目を見開くのと同時に部屋から1人の女性が出てきた
「お前ら仲間割れするなっつったろうが」
銀色の髪をなびかせ、その一房は赤黒く染ったAが赤眼を光らせて4人の前に現れた
細く高いブーツのヒールの音を響かせて2人の前に歩み寄った
「(A…!)」
「これからが悪の組織の本番なんだ。これ以上揉めるっていうなら…」
黙ってこちらを見る侑斗と男の間に音もなく近づくと黒いジャケットから二丁の銃を取り出して2人の目の前に突きつけた
「消すぞ」
ギラギラと赤い瞳を光らせて銃を突きつけるAに侑斗も男も息を飲んだ
良太郎も鈴木も固唾を呑んで見守ると、侑斗が先に手を離した
それに続いて、男もバツの悪そうな顔をして侑斗から手を離した
それを見届けて、Aも銃を懐にしまって4人に背を向けた
「それからそこのゴミ片付けとけ。臭いんだよ」
部屋に入る前に顔だけこちらに向けてAが良太郎と鈴木に言い放った
一瞬だけ合った目はもうAの面影もなかった
部屋に消えていったAを呆然と見ていると、男が落ちたゴミを蹴りあげた
「テメェらさっさと片付けろ!」
「は、はい!すいません」
慌ててガサガサとゴミを集めながら良太郎は侑斗の方をちらりと見た
侑斗と一瞬目が合ったが、侑斗は直ぐに顔を逸らして部屋の中に消えていった
─────────────────────
潜入捜査を終えてデンライナーに戻ると、ナオミがコーヒーを用意して迎えてくれた
デスクについてほっと息を着いた
「まさかAちゃんがイマジンに取り憑かれてたなんて…!」
「牙王の時みたいに人質ってことか?」
「これからが本番って、どう意味なんだろうね」
「なんでもええ!今すぐ潰してA助けたら終わりや!」
そう言ってボキボキと骨を鳴らすキンタロスに良太郎は慌てて止めた
「ちょっと待ってよ!パスを取り戻すことも考えなきゃ…」
「そうね。侑斗の事もあるものね」
「潜入捜査ってやつですか〜?」
皆であれこれ言って考えていると、不意に鈴木が声を上げて鞄から紙を取り出した
そしてその紙をみんなの前に広げた
その紙には指名手配犯の黒木誠也の顔があった
「これ…」
「あ!この人…!」
良太郎が見覚えあるように言うと、モモタロス達もわらわらと集まってきて鈴木は無意識に身構えた
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フォンフォン(プロフ) - 朱音さん» はい、見ましたよ。 (2018年12月26日 17時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
朱音 - あの、質問なんですが。 今、仮面ライダーの最新の映画やっていますよね?作者は見ましたか? (2018年12月26日 16時) (レス) id: 0b354d0f43 (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - ぱずー@靖子乱舞さん» こちらこそ声掛けてくださってありがとうございます。めちゃんこ嬉しかったです。お互い頑張りましょうね! (2018年12月26日 0時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
ぱずー@靖子乱舞 - あっあっまさかご存知だったとは…(昇天)はい、ジオウの小説を書かせて頂いております。こう言うのはおこがましいかもなんですが、これからもお互い頑張りましょう。 (2018年12月25日 22時) (レス) id: e8b283460b (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - ぱずー@靖子乱舞さん» そう言って下さるとすごく嬉しいです。ありがとうございます!あの、ぱずー様もジオウの小説書かれてましたよね?勘違いだったらごめんなさい…。のんびり進んでますが、これからもよろしくお願いします! (2018年12月25日 16時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フォンフォン | 作成日時:2018年11月26日 14時