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「憑かず、離れず、電車斬り!」 1話 ページ36

侑斗さんはそのまま良太郎とゼロライナーに乗ってどこかへ飛んでいってしまった
私はデンライナーから飾りを降ろして学校へ向かっていた
侑斗さんのことが忘れられずについため息をつくと、後ろから肩を叩かれた
振り返ると、ぷに、と頬をつつかれる感触と笑い声が聞こえた


「シケた顔してるよ」
「ソウゴ君…」


ソウゴはAの前に回り込んで、手に持っていたダンボールを持つとそのまま歩き出してしまったので、慌てて追いかけて隣に並ぶ


「またお姉さん達のこと?」
「ううん、今度はそうじゃなくて…なんて言えばいいのか…」


そう言って下を向けば、またソウゴが笑う声がした


「珍しいね、そこまで悩むなんて」
「…まあ私のせいでもあることだし」


侑斗が最後のカードを使ったのは自分がネガタロスと契約したせいでもあった
そのせいで今まさに侑斗の尊い記憶を犠牲にしてしまったこともある


「…私のやった事は本当に正しかったのかなって…」


いざ現実に直面すると果てしない罪悪感が背中を這い登る
自分のわがままで誰かが傷つくなんてことを想像もしていなかったことに嫌気がした


「それ本当に思ってる?」
「え?」


いつもより低い声が返ってきて振り返ると、ソウゴがいつもよりも険しく真面目な顔でこちらを見ていた
いつもとは違う様子に思わずたじろぐと、ソウゴはその真っ直ぐな目で私を見つめた


「自分が正しいって信じなきゃ、誰がそれを正しいと思うの?自分が信じないことを誰も信じやしないよ」
「で、でも…」


はっきりと言いきられて何も返せないでいると、ふっとソウゴの雰囲気が柔らかくいつも通りに戻った


「Aはもっと自信を持ちなよ。そんなに行動力があるんだから勿体ないよ」
「そうかな…」
「それに、そんなに思い悩むってことはその人のことを大事に思ってる証拠だよ」


ソウゴは笑顔で励ますように言うと、私にも少し自信がついてきた
少し照れくさくなってそっぽを向くとまたソウゴが笑った声がした


「それに、俺Aは笑顔の方が似合うと思うな」
「へ?」


さらりと恥ずかしい発言をするソウゴに目を点にして振り返ると、ソウゴはただ笑うだけだった
こいつ、まさか天然タラシか…!?


「もう…ソウゴ君の癖に生意気だぞー!」
「うわっ!ちょっと押さないでよ!」


ソウゴを思いっきりどつくとダンボールを抱えたままふらふらするソウゴに思わず笑ってしまった

閑話 「未知との遭遇」 1話→←「未来の選択肢」



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フォンフォン(プロフ) - 朱音さん» はい、見ましたよ。 (2018年12月26日 17時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
朱音 - あの、質問なんですが。 今、仮面ライダーの最新の映画やっていますよね?作者は見ましたか? (2018年12月26日 16時) (レス) id: 0b354d0f43 (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - ぱずー@靖子乱舞さん» こちらこそ声掛けてくださってありがとうございます。めちゃんこ嬉しかったです。お互い頑張りましょうね! (2018年12月26日 0時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
ぱずー@靖子乱舞 - あっあっまさかご存知だったとは…(昇天)はい、ジオウの小説を書かせて頂いております。こう言うのはおこがましいかもなんですが、これからもお互い頑張りましょう。 (2018年12月25日 22時) (レス) id: e8b283460b (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - ぱずー@靖子乱舞さん» そう言って下さるとすごく嬉しいです。ありがとうございます!あの、ぱずー様もジオウの小説書かれてましたよね?勘違いだったらごめんなさい…。のんびり進んでますが、これからもよろしくお願いします! (2018年12月25日 16時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フォンフォン | 作成日時:2018年11月26日 14時

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