命を食らう女郎蜘蛛 5 ページ7
「この姿になるのも久しぶりだな」
「酒呑童子様…！」
洞潔の言葉に思わずえっと声が漏れた。
私たちの妖聖剣を狙う敵、それがまさかナツメの同級生の酒呑ハルヤだったとは。
衝撃の事実にナツメたちも言葉を失っていた。
傍に控えていた洞潔が先陣を切り、剣で女郎蜘蛛に切りかかったがまだ力が残っている女郎蜘蛛がまた蜘蛛の糸で防いでしまった。
「しぶとい害虫め…！」
「貧弱だねぇ！」
女郎蜘蛛がまたエネルギーを吸おうと洞潔に向かって蜘蛛の糸を伸ばした。
しかし蜘蛛の糸が洞潔に届く前に酒呑童子がその糸を片手で掴んで止めた。
「下がっていろ洞潔」
地の底に響くような声で言うと、酒呑童子が掴んでいた蜘蛛の糸がドロドロと溶け始めた。
「うそ！？あの糸を溶かすなんて…」
「すげえ力だ…」
圧倒的な力に敵ながらも感心してしまった。
酒呑童子が黒いオーラを纏って女郎蜘蛛に近づくと流石の女郎蜘蛛も嫌な予感がしたのか少し後ずさった。
「貴様のような醜悪な者が姫を語るなど…万死に値する」
酒呑童子が右手を振り上げるとその手が炎のように輝いた。
そしてその手を振りかざすと、その手から生まれた衝撃波が目にも見えない速さで女郎蜘蛛の8本の足を同時に切り裂いてしまった。
力の源である足が失われたことによって女郎蜘蛛の体が更に縮んでついには膝下くらいの大きさになった。
「終わりだ」
酒呑童子が小さくなった女郎蜘蛛に再び焔色の手を振りかざそうとした時、小さくなった体を利用してピュンとその拳を交わしタワーの外に飛び出していった。
「アハハ！覚えておくんだねぇ！再び力を取り戻してお前たちに復讐してやるかr」
「ミッチービーム！」
いつの間にか戻ってきたのか、女郎蜘蛛の言葉を遮ってミッチーが女郎蜘蛛にビームをかました。
すると女郎蜘蛛はその高笑いしたまま石化し、ミッチーパンチで一瞬で砕いてしまった。
「毎度おなじみミッチービームは強い敵には通じないが弱っている敵には効果てきめんなのだ！」
「ミッチーやるう！」
「アーッ！ナツメさんに褒められてうれぴ！！」
時には役に立つミッチーをナツメが褒めるとその1つ目をだらしなく緩めてデレデレし始めた。
酒呑童子は興が冷めたと言って人間の姿に戻りさっさとタワーから降りようとして行くのをトウマが止めた。
「どうして僕達を…」
「勘違いするな。借りを返しただけだ」
短く言って去る2人になんとも言えない気持ちで見つめた。
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優(東方ガチ勢) - 凄く面白いです！ケースケの立ち位置に夢主を入れるのは考えたことがなかったです(笑)とても面白いしいい話なので、続きが出来たら更新して欲しいです！ (2022年8月3日 15時) (
レス) @page37 id: 14abcb2f13 (このIDを非表示/違反報告)
名無 - とても面白かったです。続きがあれば何時までも楽しみにしています。 (2021年3月23日 9時) (レス) id: cdf16b300a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フォンフォン | 作成日時：2020年10月12日 22時
