酒呑童子とじょろちゃんの一触即発 ページ36
「Aとどっかいって！これ命令！」
「かしこまりました！」
そんな会話を数刻前に聞いたと覚えば私は酒呑童子もとい酒呑ハルヤに掴まれてどっかに連れてこられてきた。
事務所から追い出された私達は結局行くあても考えておらず、外に出た途端途方に暮れた。
「…え？なんも考えなしに出てきたの？」
「仕方がないだろう！姫の命令は迅速かつ丁寧にこなすのが仕える者としての役割であろうが！」
「行き当たりばったりなあたり全然丁寧じゃないのですが」
そう言うとハルヤは見るからに不機嫌な顔になった。
ぎゅっと眉間にシワをよせるハルヤにめんどくさいと思いながらため息をついた。
「…なんなら私の家に来る？」
「！？姫の妹の家とは…姫の宮殿のことになるか！？」
「いや宮殿じゃないから」
ナツメというか姫のこととなると途端にIQが下がるなこの鬼。
確か前に打ち水してたな。
ハルヤは葛藤してたが顔に「行きたい」と書いてあったので言い訳をしまくるハルヤを無視して私の家に連れてきた。
「ただいま」
「ひ、姫の…家…！」
後ろで感動に打ち震えているハルヤを無視して家に入るとどうやら母は外出中らしかった。
しかし台所からひょっこりと女郎蜘蛛が顔を出した。
「おかえ…あら、懐かしい坊やがいるじゃないの」
「貴様…！」
女郎蜘蛛を認識した途端酒呑童子へと変化して拳を構えた。
慌てて間に入ろうとするが酒呑童子の脇に抱かえられ動けなくなってしまった。
「性懲りも無く生きていたとはな…また潰してやろうかこの蛆虫が」
「あらあら、良いように使われてたのは誰だったかしら？それに蛆虫だなんて、女の子に使っていい言葉じゃないでしょう？」
女郎蜘蛛も挑発するので酒呑童子が1歩踏み出そうとしたのでやけくそになって彼の腕を叩いた。
「ちょっと話を聞いて！女郎蜘蛛は敵じゃないの！じょろちゃんも悪ノリしない！」
「しかし…！」
「これ姫の妹の命令！」
「！！」
ナツメの前をすると腑に落ちない顔をしつつも腕を下ろしてくれた。
二人の間に立ってこれまでの経緯を説明すると気に食わないという顔をしつつも納得してくれた。
「貴様その成で女を名乗るとは…愚かにも程がある」
「…どうやらレディの扱いが分からないようね？”俺”が1から教えてやろうか？」
「上等だ。出来損ないが」
しかしまた喧嘩腰になる2人に私は頭を抱えた。
どうやら家に連れてきたのは間違いだったらしい。
二人の間に挟まれながら早く帰ってきてくれと願った。
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優(東方ガチ勢) - 凄く面白いです！ケースケの立ち位置に夢主を入れるのは考えたことがなかったです(笑)とても面白いしいい話なので、続きが出来たら更新して欲しいです！ (2022年8月3日 15時) (
レス) @page37 id: 14abcb2f13 (このIDを非表示/違反報告)
名無 - とても面白かったです。続きがあれば何時までも楽しみにしています。 (2021年3月23日 9時) (レス) id: cdf16b300a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フォンフォン | 作成日時：2020年10月12日 22時
