GO!バスターズ! ページ33
※バスターズ要素あり
「かっぽ〜ん!!」
「(え何)」
目的の用事も済ませて帰ろうとした矢先に先程のような気の抜けた声が響き渡った。
キョロキョロと見回すと少し遠くの方にまるで豚のような頭が見えた。
新手の空亡ウイルスに感染された妖怪か、と思ってナツメに連絡しようとした時、視界に派手な黄色が入り込んだ。
「おっAチャンじゃ〜んお久〜」
「げっ」
「心底嫌そうな顔も好きダヨ!」
馴れ馴れしく肩を組んでこようとするのを避けると更にニヤニヤする黄色いヤツ…ワルノリンが目の前に現れた。
ワルノリンの片手には背中にさしていた刀が握られており気が気ではなかった。
「任務先で会えるなんて運命じゃ〜ん。せっかくだしデートしよ?」
「こんな所で何してるんですか」
「スルーされた!僕ちゃん泣いちゃう!」
道のど真ん中でムキムキ黄色タイツが蹲っているのは見るに堪えない。
なんでこういう時に限って影オロチや女郎蜘蛛がいないのか。
すると空からまた見覚えのある妖怪が飛んできた。
「ワルノリン!また君は任務をサボったな!」
「げぇっまだ追っかけてきてたのぉ!?」
スカイシャリマンは逃げようとするワルノリンの首根っこを掴みあげた。
彼は私に気づくと申し訳なさそうに眉を下げた。
「すまない。また君に迷惑を…」
「いや100%そいつが悪いので…スカイシャリマンさん達はこんなところで何を?」
そう聞くとスカイシャリマンはまた表情をキリッとさせた。
「我々はバスターズとしてとある極悪妖怪を追っていたのだ。しかし突然ワルノリンが戦線を離脱したかと思えば…」
「Aチャンの気配がしてつい♡」
ハートマークを付けるワルノリンに私はがっくしと頭が重くなり、謝罪せずにはいられなかった。私悪くないが。
「てか、その極悪妖怪って…」
そう言いかけると私たちの真横にどすんと大きな巨体が落ちてきた。
ギギ、と振り返ると、顔を真っ赤にした豚のような妖怪がこちらを見下ろしていた。
「ああ、こいつのことだ」
「お前たち揃いも揃っておでを無視しやがって…!」
あっけらかんと言うスカイシャリマンに豚妖怪が激昂して襲いかかった。
が、スカイシャリマンとワルノリンはさっと身を翻すと攻撃を避けた。
「せっかくだしAちゃんにカッコイイとこ見せちゃお!」
「直ぐに片付ける。離れていろ」
そう言って私を背に庇う姿は確かにヒーローと呼ばれるものに見えた。
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優(東方ガチ勢) - 凄く面白いです!ケースケの立ち位置に夢主を入れるのは考えたことがなかったです(笑)とても面白いしいい話なので、続きが出来たら更新して欲しいです! (2022年8月3日 15時) (レス) @page37 id: 14abcb2f13 (このIDを非表示/違反報告)
名無 - とても面白かったです。続きがあれば何時までも楽しみにしています。 (2021年3月23日 9時) (レス) id: cdf16b300a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フォンフォン | 作成日時:2020年10月12日 22時