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「時計仕掛けの婚約者(フィアンセ)」 1話 ページ44

息を切らしてミルクディッパーに飛び込むと、そこには良太郎はおらず、代わりに三浦さんと尾崎さんと愛理さんがいた


「あら、Aちゃんどうしたの?」


「ッ外に化けも…」


化け物がいる、と言おうと思ったけれど、今言ったらパニックになるかもしれないし、もしかしたらあの仮面ライダーがたおしてくれたかもしれない


そう思って言うのをやめると愛理さんが不思議そうに首を傾げる


「外がどうかしたの?」


「いや…なんでもない…」


「そう。疲れてるならこれを飲むといいわ。」


そう目の前に置かれたのは特製キャベツジュース。
結構見た目がキツイ。


覚悟を決めてグッとグラスを傾けるとなんとも言えない味がした。
けれど、心が落ち着いてきた。


あ、でもこれ後からくる。
じわじわくる。


プルプルと堪えていると、店のドアが開く音がした。


「こんにちは!」


「あら、沢田さん!」


来店したのは先程会った沢田先輩だった。
私に気づくと手を振ってくれたので、私も振り返す。


「イギリスの学校は休みなの?」


「あっ…まあ、そんなやつです。」


「そうなの。どうぞ席へ。」


「はい!」


沢田先輩は私の隣に座った。
愛理さんがコーヒーを出してあげる。


「お姉さん!結婚式はどうでした?お姉さんの花嫁姿見たかったなぁ〜。」


「結婚式?誰の?」


えっ、と沢田先輩が息を呑む音がした
戸惑うように私を見たけれど、どう返していいのか分からず目を逸らしてしまった


「いえっなんでもない…です」


「あらそう?Aちゃん。ケーキの準備手伝ってもらえる?」


「うん。いいよ」


カウンターの中に入ると何故かコーヒー豆がちょこちょこ転がっているのに疑問を覚えたが、気にしないことにした


「お姉さん…実は私、イギリスの学校に馴染めなくて戻ってきたんです。」


沢田先輩が言った言葉に私がびっくりした
明るい先輩が馴染めなくて悩んでたなんて想像もつかなかった


「…でも高校も先生も友達もみんな変わっちゃってて…」


「そういうの、寂しいわよね。でもね、みんな変わっちゃうの。同じ所には居られないのよ。」


愛理さんは優しく微笑んで続けた


「でも、沢田さんが覚えてるのは確かじゃない?好きだから、覚えているんでしょ?」


すると沢田先輩は少し笑って頷いた


「沢田さんが覚えているなら、それは無くならないと思うな」


そう言って沢田先輩と愛理さんは笑い合った。

「時計仕掛けの婚約者(フィアンセ)」 2話→←「あの人は今!も過去?」



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わー(プロフ) - 了解です!ありがとうございます! (2018年12月27日 22時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - わーさん» もしモモタロスオチの小説をお求めでしたら、リンク先の短編小説の方に置いてありますのでそちらをご覧下さい。長くなりましたが、これからもよろしくお願いします! (2018年12月27日 21時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - わーさん» コメントありがとうございます!大変申し訳ございませんが、オチのリクエストは受け付けていません。オチは未定とありますが、物語の流れ的にはオチはないです。誤解を招くような表現をしてすいません… (2018年12月27日 21時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - オチはモモタロスでお願いします! (2018年12月27日 19時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フォンフォン | 作成日時:2018年8月19日 21時

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