「踊る龍と猫のワルツ」 ページ42
次の日、Aは学校帰りの路地裏から何かの鳴き声を聞いた。
思わず自転車を止めて耳を澄ませてみると、微かに猫のような声が聞こえた
つい気になって路地裏に入った
するとそこには見知った背中がしゃがんでいた
「あれ、良太郎?」
そう聞いて振り返った目は紫で、帽子から紫の髪が覗いていた
「あ!Aちゃん!」
嬉しそうな顔で良太郎はぱっと笑うと、こちらに手招きした。
大人しく従ってその隣に腰を下ろすと、良太郎の前に子猫が3匹、ダンボールの中に入っていた。
「えっ良太郎どうしたのこの子達。」
「僕が来た時に置いてあったの。可愛いよね!」
そう子猫に頬ずりする良太郎はよくわからんが可愛く見えた。
いや、良太郎が可愛いんじゃなくて子猫が可愛くてでもこの良太郎も子供っぽくて可愛いくて、あれ、よくわかんなくなってきた。
「ねえねえAちゃん!持って帰ってもいい?答えは」
「だっダメ!それはダメ!」
答えを聞かなくなる前に慌てて止める
良太郎はえー、と不満げな顔をした
「僕、ちゃんとお世話するよ?」
「良太郎の不幸体質で怪我させかねないし、愛理さんだってお店持ってるんだから困っちゃうよ。」
「お姉ちゃん困る?」
「困る。」
「Aちゃんも?」
「困る。」
少し考えを巡らせていたがわかったよ、と言って子猫を箱に戻した
その子猫をダンボールごと写真に撮ってSNSに捨て猫がいると呟くと、すぐに友達からその場所を聞かれた
しっかり伝えておいたので、すぐに拾いに来てくれるだろう
良太郎の手を引いて路地裏を出ると、もう日は傾いて空が赤く染っていた
自転車を押して帰らなきゃいけないので手を離そうとすると良太郎にギュッと強く握られた
「良太郎。これじゃ自転車押せないよ。」
「ヤダ。まだこうしてたい!」
何故か結構しぶとく駄々こねられたので、近くにあった公園で道草をすることにした。
不意に良太郎が口を開いた。
「ねえねえAちゃん。」
「ん?どしたの?」
良太郎の方をむくとえいっという声と共に何かを被せられた
耳に被るそれは良太郎のヘッドホンだった
良太郎が操作すると、音楽が流れだした
激し過ぎず、それでいてアップテンポの曲だ
「これいいね。私好きかも」
「でしょ!Aちゃんの為に探したの!」
良太郎にありがとうと言うと良太郎は満面の笑みを見せてくれた。
(あ!僕はリュウタね!)
(リョウタ?)
(リュウタ!)
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わー(プロフ) - 了解です!ありがとうございます! (2018年12月27日 22時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - わーさん» もしモモタロスオチの小説をお求めでしたら、リンク先の短編小説の方に置いてありますのでそちらをご覧下さい。長くなりましたが、これからもよろしくお願いします! (2018年12月27日 21時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - わーさん» コメントありがとうございます!大変申し訳ございませんが、オチのリクエストは受け付けていません。オチは未定とありますが、物語の流れ的にはオチはないです。誤解を招くような表現をしてすいません… (2018年12月27日 21時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - オチはモモタロスでお願いします! (2018年12月27日 19時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フォンフォン | 作成日時:2018年8月19日 21時