「妄想・暴走・カスミ草」 5話 ページ28
また新しい撮影が始まった。
良太郎はいつの間にかどこか行ってて、ハナさんによるとお腹が痛くなったらしい。納得。
今度はpvの撮影らしい。
リハーサルが終わって、本番が始まろうとした時、またあの化け物が天井から降りてきた。
化け物が長いムチなようなものを振り回してスタジオを破壊していく。
本能的にかすみちゃんを庇うと、化け物のムチが目の前に迫ってきた。
死ぬかもしれない。
ハナさんが私の名前を呼ぶのを聞いて、ギュッと目を閉じると、私の体に衝撃が走った。
痛くない。でもなんか硬い。
そう思って目を開けると、桃のような形をしたマスクに、赤い装甲をつけた人が私を抱き抱えてた。
「あぶねえじゃねえか!何やってんだ!」
「は、え、ごめんなさい。」
まくし立てられて思わず謝ると、ハナさんの所に降ろされる。
そして硬い手がぽんと頭に乗ると、
「いいからその女と隠れてろ。」
そう言って化け物に向かっていった。
ハナさんに手を引かれて、かすみちゃんとスタジオの影に身を潜める。
「ハナさん…あれは何?」
「あれは、仮面ライダーよ!」
「仮面、ライダー…」
しばらくライダーと化け物の戦闘がスタジオを荒らしながら続いたが、ライダーのベルトのボタンを押すと、赤い装甲が黄色に変わっていく。
「俺の強さにお前が泣いた。涙はこれでふいとけ。」
そういってまた戦闘が始まる。
それを眺めていると、ハナさんが誰かがいるのに気づいた。
慌ててその人を追いかけると、その人はかすみちゃんのお父さんだった。
化け物はお父さんが差し向けたということだ。
かすみちゃんはその事実にショックを受けて絶句した。
お父さんは外に出ていってしまった。
その後を追って、扉を開けようとしたが鍵がかかっているのか、開かなかった。
ハナさんが試行錯誤していると、あの化け物が迫ってくる。
あと少しのところで、仮面ライダーが化け物を私たちから引き離した。
そして、開けた穴から外に出ていった。ハナさんは私達をここに居るように指示して後を追って行った。
外から金属がぶつかり合う音がして、いつの間にかかすみちゃんと手を握りあっていた。
しばらくして、金属音がしなくなってそろそろ大丈夫かと腰をあげると、かすみちゃんは立てなくなっていた。
「大丈夫?ほら、おいで。」
と、背中を差し出すとおずおずと細い腕が回されて、そのままかすみちゃんを背負ってハナさんを探した。
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わー(プロフ) - 了解です!ありがとうございます! (2018年12月27日 22時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - わーさん» もしモモタロスオチの小説をお求めでしたら、リンク先の短編小説の方に置いてありますのでそちらをご覧下さい。長くなりましたが、これからもよろしくお願いします! (2018年12月27日 21時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - わーさん» コメントありがとうございます!大変申し訳ございませんが、オチのリクエストは受け付けていません。オチは未定とありますが、物語の流れ的にはオチはないです。誤解を招くような表現をしてすいません… (2018年12月27日 21時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - オチはモモタロスでお願いします! (2018年12月27日 19時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フォンフォン | 作成日時:2018年8月19日 21時