｢妄想・暴走・カスミ草｣ 3話 ページ26
マネージャーさんにこってり怒られて、また別の撮影場所に行った。
今度は雑誌の撮影らしい。
私達はスタジオの端っこのほうでじっとしていた。
｢かすみちゃん働き詰めだけど、両親とか心配しないのかな。｣
ふと良太郎がハナさんに聞くと、ハナさんは微妙な表情で頷いた。
｢社長さんの家で寝泊まりさせてもらってるんだって。家には帰ってないみたい。｣
そう話していると、突然スタジオの照明が落ちた。
真っ暗になって混乱するスタジオにかすみちゃんの悲鳴が響き渡った。
良太郎が駆け寄ろうとしたが、椅子につまずいて倒れてしまった。
｢良太郎！大丈夫！？｣
と声をかけると、スタジオの照明が戻る。
良太郎を起こして、かすみちゃんに駆け寄ると、かすみちゃんの衣装に墨汁のようなものがべっとりついていた。
それと同時に誰かがスタジオから出る音がして
、良太郎とハナさんが駆け出す。
私もついて行こうとすると、かすみちゃんに引き留められた。
｢全員行ってどうするの。私を守るんじゃないの？｣
｢あ、ハイ…｣
かすみちゃんの小道具を預かって、墨汁をどうにか落とそうとするが、なかなかどうしてか全く落ちない。
なんとなく可哀想で、上着を着せてあげる。
かすみちゃんは怪訝そうな顔をしていたが、そっぽを向いてしまった。
犯人が捕まったと聞いて、マネージャーとかすみちゃんと私で楽屋に戻る。
そこには、かすみちゃんと同年代そうな女の子がいた。
動機を聞くと、かすみちゃんがいなければ自分がパリコレに選ばれていたからだった。
今までの嫌がらせもこの子の仕業だったそうだ。
マネージャーにその子が連れ出されたその直後、頭上から化け物が降りてきた。
かすみちゃんが悲鳴をあげて、ハナさんが私とかすみちゃんを庇う。
歩いてくる化け物に良太郎がタックルした。
良太郎はいつのまにかモモになっていた。
モモはこちらを見ると
｢早く行け！｣
と短く言って化け物に対峙した。
不安でハナさんを見ると、｢モモ…じゃなくて良太郎は大丈夫だから。｣と私とかすみちゃんの手を引っ張って行った。
スタジオから出る時、良太郎を振り返ると良太郎は手に何かベルトを持っていた。
その背中も、いつもの弱々しいものじゃない。
私の知ってる良太郎じゃない。
ハナさんは知ってたのかな？
そう思うと、心が冷めていく気がした。
(いつも知らないのは私だけ)
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わー(プロフ) - 了解です！ありがとうございます！ (2018年12月27日 22時) (
レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - わーさん» もしモモタロスオチの小説をお求めでしたら、リンク先の短編小説の方に置いてありますのでそちらをご覧下さい。長くなりましたが、これからもよろしくお願いします！ (2018年12月27日 21時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - わーさん» コメントありがとうございます！大変申し訳ございませんが、オチのリクエストは受け付けていません。オチは未定とありますが、物語の流れ的にはオチはないです。誤解を招くような表現をしてすいません… (2018年12月27日 21時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - オチはモモタロスでお願いします！ (2018年12月27日 19時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フォンフォン | 作成日時：2018年8月19日 21時
