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「哀メロディー・愛メモリー」 2話 ページ23

すっかり落ち込んでしまった大林さんに、愛理さんがそっと声をかけた。


「好きなんですね。由美さんのこと。」


そういうと、少しだけ顔を上げた大林さんが袋の中から金槌を取り出した。
暴力!?と怯えた尾崎さんと三浦さんを他所に近くにあった椅子を手に取った。


するとその椅子をひっくり返して、足を金槌で叩き始めた。


「傾いてる。直してやらぁ。」


その言葉に思わずにやけてしまって、大林さんに睨まれる。
が、笑っているのは愛理さんも同じで、睨まれても全然怖くなかった。


「大工仕事をしてると、落ち着くんだ。」


黙って待ってると、星は巡ってくるんだろ?


そう言って作業する大林さんに愛理さんは今度こそ満面の笑みを浮かべた。
私は柱に刺さってるノコギリを気にしながらも、大林さんに出すためのケーキの用意を始めた。


それから椅子を直し終えて、ケーキとコーヒーを食べ終えた大林さんは天井の星のモニュメントを眺めていた。


外は赤く、もう夕方になってしまった。
それでも由美さんは来なかった。


もう来ないのかな、と大林さんを見ると諦めたような寂しい目をしていて、私も不安になった。


そう思っていると、店のドアが開かれる音がした。
その方向を見ると、頭のリボンとオレンジのコーディネートが特徴的な女の人が立っていた。


それをみた大林さんが立ち上がって由美…と呟いた。
どうやらあの人が由美さんのようだ。


由美さんは夕日を背景に大林さんに微笑んでいたけど、しばらくすると真顔になり、やがて綺麗な眉毛を釣り上がらせた。


「智也ァア!!何してんだこんなとこでェ!!」


そう言って大林さんの胸ぐら掴む。
大林さんと似てなかなか強気な人らしい。


掴み合う2人を引き離すが、お互い睨み合う。


「どうやら…決着をつける時らしいな…」


そう言って大林さんは懐の爆弾を取り出す。
思わず愛理さんにしがみついて、事の成り行きを見守ると、大林さんは爆弾の包みをとる。


すると、中から黒い箱が出てきて、それを由美さんに渡す。
恐る恐る開けると、「春」のオルゴールが流れ始める。
中身は、ハートを象ったペンダントだった。


あれは、爆弾ではなくて2人が壊してしまったペンダントだったらしい。


それをみた由美さんは涙ぐむと、バッカじゃないのと言った。


そして2人は自転車で寄り添いながら帰って行った。
春のオルゴールを流しながら。
きっとあの二人は、いい夫婦になれるとおもった。


よかった。

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わー(プロフ) - 了解です!ありがとうございます! (2018年12月27日 22時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - わーさん» もしモモタロスオチの小説をお求めでしたら、リンク先の短編小説の方に置いてありますのでそちらをご覧下さい。長くなりましたが、これからもよろしくお願いします! (2018年12月27日 21時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
フォンフォン(プロフ) - わーさん» コメントありがとうございます!大変申し訳ございませんが、オチのリクエストは受け付けていません。オチは未定とありますが、物語の流れ的にはオチはないです。誤解を招くような表現をしてすいません… (2018年12月27日 21時) (レス) id: 0273cd81dc (このIDを非表示/違反報告)
わー(プロフ) - オチはモモタロスでお願いします! (2018年12月27日 19時) (レス) id: 8cf7868275 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フォンフォン | 作成日時:2018年8月19日 21時

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