40 ページ41
(youーside)
例えばだけど、突然妊娠したのがスタッフだったとしたら。
代わりに誰かが入って、支え合う事もできただろう。
だけど、私達はそうはいかない。
AAAの伊藤千晃は1人しかいなくて。
千晃の代わりに誰かがその穴を補うなんて事はできないから。
伊「…私、」
ジワリと千晃の瞳に涙が浮かぶ。
その様子に、にっしーは嘆息した。
與「それでも千晃が産むんやったら、俺は全力でサポートすんで？」
日「産後暫くは厳しいだろうけど、復帰したら時間調整しつつ働かないといけないだろうし」
與「仕事場に連れてきたら？楽しそうやん」
浦「そう単純な話じゃないでしょ」
直也くんが言うと、真司郎はすぐに反応する。
與「ええやん、両立したら」
だけどその言葉は。
「本当に…そんな事、できるのかな」
私には、とても身勝手な言葉に聞こえた。
日「どういう事？」
「幾らサポートするって言っても、ツアー中AAAは全国を回るんだよ。その間、私達は殆ど家に帰れない日だって多い」
産むまでが問題じゃない。
寧ろ、その後が大変だと思う。
「千晃のお相手の人だって仕事してるよね。2人の仕事が重なった時、子どもを実家に預けたり、もう少し大きくなれば1人で留守番させる事も多くなるかもしれない」
思い出すのは遠い記憶。
『詩ちゃんはしっかりしてるから、大丈夫でしょう』
「ツアー中、子どもが家で1人熱を出したらどうする？千晃もそうだけど、子どもだったらどうするかな」
伊「え？」
「勿論千晃が子どもの事を蔑ろにするとは思わないし、例えばこの先両立する事になっても、AAAも子どもも大切にするんだろうなとは思うよ。でもね、」
言うべきじゃないかもしれない。
そう悩みながら、それでも続ける。
「きっと千晃の子どもは分かっちゃうよ。自分の母親は、AAAの伊藤千晃だって。自分だけの母親じゃないんだって」
爆発的に売れてはいないかもしれないけど。
AAAの伊藤千晃が、どれだけ多くの人に愛されているのか。
成長するにつれ、千晃の子どもはきっと痛いほどに感じるだろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 382人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海(プロフ) - ももたろうちゃんさん» ありがとうございます！凄く嬉しいです(^^)マイペースですがこれからも頑張ります！これからもよろしくお願い致します。 (2020年3月8日 17時) (
レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
ももたろうちゃん - この小説大好きです！更新頑張ってください。応援してます（*^_^*） (2020年3月8日 14時) (レス) id: 37be2dc889 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - Takatakaさん» ありがとうございます！かなり長い話になってしまっているので、そう言ってくださると嬉しいです。完結までもう少しかかりますが、丁寧に書いていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 (2020年3月7日 9時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - まだまだ続けくのは嬉しいです、更新楽しみにしてます (2020年3月6日 14時) (レス) id: 46a14b564f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：海 | 作成日時：2020年3月5日 20時
