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(sueyoshiーside)


夜、千晃の呼び出しを受けて、メンバーが集まり始めた。



浦「後は千晃と日高と、詩か」


與「呼び出した張本人がおらんってどういう事やねん」



来てないものは仕方ないから、たわいもない話をしつつ残りのメンバーを待つ。




西「何だろうね」


浦「何かソロでやりたいことがあるとか?」


與「え、みさちあは?」


宇「別にみさちあしかやっちゃダメなんてルールないし」



ソロでやりたい事があるなら私は応援したいって思うよ。と宇野ちゃんが笑う。



その言葉と表情に嘘はなくて。



ーー宇野ちゃんは、そういうとこあるよな…



昔はまだ子どもらしさもあったけど、月日を重ねるごとに、メンバーの幸せを優先させる余裕を持つようになった。



多分、その根底にあるのは。


かつて詩と仲違いした件なんだろうけど。





與「なー、秀太は?」


末「ん?」


與「何やと思う?千晃」



真司郎が聞くと、徐にみんなの視線も集まる。




末「…さあ」



ーー分かるはずがない



近いようで、千晃の事はよく分からない。



何事にも全力で、誰とでもすぐに打ち解けられる明るさがあって。



歌もダンスも苦手だけど、凄く努力していて。ファンからも愛されてる。



自分から発言するのは少ないけど、実は誰よりも度胸があって、大胆な事をする時もある。



千晃の事はよく知ってるつもりで。



だけど。



ーー本当は、全然わからない









日「こんばんはー」


伊「こんばんは」



浦「お、来た来た」


伊「ごめんね、集まってもらって…」


西「詩がMV撮影でまだだけど」



日高と千晃も椅子に腰掛けて。



その千晃の顔色を見て、室内の空気が変わった。





宇「どうかしたの?」


伊「っごめん」



問いかけた宇野ちゃんに、何故か謝罪を返す千晃。



いつもだったら、「何かしでかしたのかよー」と笑いに持っていけるであろうに。



「「「……」」」



空気の重さに、誰も茶化せなくて。





與「どうしたん?」


伊「…」


日「詩がいつ来るのか分からないから、先に始めたら?」



優しく気遣うように言う日高は、ひょっとして知っているのだろうか。



伊「…………っ」



数秒目を閉じた千晃は、俺らの顔を見回して。



ふと、千晃と目が合う。









伊「私…妊娠した」





小学生でも理解できる簡単なその言葉の意味を。



俺は一瞬、理解できなかった。

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(プロフ) - ももたろうちゃんさん» ありがとうございます!凄く嬉しいです(^^)マイペースですがこれからも頑張ります!これからもよろしくお願い致します。 (2020年3月8日 17時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
ももたろうちゃん - この小説大好きです!更新頑張ってください。応援してます(*^_^*) (2020年3月8日 14時) (レス) id: 37be2dc889 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Takatakaさん» ありがとうございます!かなり長い話になってしまっているので、そう言ってくださると嬉しいです。完結までもう少しかかりますが、丁寧に書いていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 (2020年3月7日 9時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - まだまだ続けくのは嬉しいです、更新楽しみにしてます (2020年3月6日 14時) (レス) id: 46a14b564f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年3月5日 20時

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