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ずっと一緒にいたから、却って気付かなかったのかな。
私達8人は、同じ道を歩いていた。
なのに、気付くと。
大切な仲間が1人欠けていて。
立ち止まって、目に涙を浮かべて私達の後ろ姿を眺めていたから。
早くおいで、と手を伸ばそうとしたのに。
「…!」
ーー声が出ない
喉の奥に何かが詰まったような。
そんな感覚に、慌てて皆に助けを求めようとすると。
「!…っ!」
6人は、立ち止まっているメンバーに気付かずに先を行ってしまっていて。
待って、と。
叫んだ言葉は声にならなくて。
それならば、と。
出そうとした歌声は、風のような音が出るだけだった。
ーー待って、
ーー行かないで、
『ーーさん』
ーー置いて行かないで…!
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(youーside)
莉「綾瀬さん!起きてください!」
「っ…!」
鋭く呼ばれた私の名前に、ハッと顔を上げると。
莉「本番20分前ですよ。もう起きてください」
「あ…、」
私は眠っていたのか、と辺りを見回す。
そこは見慣れた光景で。
スタッフさんが忙しなく動いていた。
莉「綾瀬さんが居眠りなんて珍しいですね」
「あはは…昨日遅くまで起きてたからですかね」
莉「睡眠はしっかり取ってくださいね。…どうかしたんですか?しかめっ面して」
「え?…あー、」
指摘を受けて苦笑を浮かべる。
「何か、夢を見てた気がするんですけど…内容が思い出せないんですよね」
莉「ああ、よくありますよね」
ーー何だかとても悪い夢を見た気がする
そんな事を思うけど、どんな夢だったのか具体的には思い出せなくて。
莉「それより、もうヘアメイクと着替えは終わってるので。そろそろ移動しましょう」
「はい」
移動をして、本番が始まる頃には。
夢の事などすっかり忘れていたのだった。
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海(プロフ) - ももたろうちゃんさん» ありがとうございます!凄く嬉しいです(^^)マイペースですがこれからも頑張ります!これからもよろしくお願い致します。 (2020年3月8日 17時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
ももたろうちゃん - この小説大好きです!更新頑張ってください。応援してます(*^_^*) (2020年3月8日 14時) (レス) id: 37be2dc889 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - Takatakaさん» ありがとうございます!かなり長い話になってしまっているので、そう言ってくださると嬉しいです。完結までもう少しかかりますが、丁寧に書いていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 (2020年3月7日 9時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - まだまだ続けくのは嬉しいです、更新楽しみにしてます (2020年3月6日 14時) (レス) id: 46a14b564f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海 | 作成日時:2020年3月5日 20時