10 ページ11
(you-side)
私と與さんの関係性が特に大きく変わることはなく、季節は冬になっていた。
「……どうしよう、」
昴「どうするったって…やるしかないだろう」
「断るのは、」
昴「こんなに良い話を断るバカが何処にいる」
有無を言わせない昴に嘆息して、諦めた私は朝御飯のトーストを食べる。
昴「大丈夫だろ。ニコニコ笑ってりゃ何とかなる。何か聞かれたら、「素晴らしいと思います」って言っとけ」
「むう……テキトーなんだから…」
昴「要は、人見知りしない性格の女の子を演じてりゃ良いんだよ」
最近、昴はますますテキトー……というか、私にとって苦手な仕事を率先して持ってくるようになった気がする。
バラエティーのオファーが来たら積極的に受けるし、ドラマの撮影でも一人で挨拶に行かされたりもする。
どうして、と前に聞くと。
お前もそろそろ兄離れしろ、なんて。
苦手な仕事の度に、神経をすり減らしながらも何とかこなして。
……だけど、今回の仕事は規模が違う。
「…………紅白歌合戦のゲストなんて、」
昴「司会者の方が良かったか。そーかそーか」
「違うもんっ」
司会なんて絶対無理。
分かってるくせに、わざと意地悪を言う昴に口を尖らせる。
「意地悪。そんなんだから彼女できないんだよ」
昴「おーおー、お前に言われたかないな。……今の那美を與くんに見せてやりたいぜ」
ニヤリと笑いながら言う昴はきっと私をからかってる。
私だって、昴相手だと憎まれ口も軽口も叩ける。
……多分、昴にしか無理だけど。
昴「そういえば、與くんも出場するんだし、久々にAAAさんと会えるな」
「うん…」
與さんとは定期的に会ってるし、実彩子ちゃんもマメに連絡をくれるので交流はある。
だけど、メンバーさん達と顔を合わせるのは、それこそ前にライブにお邪魔して以来。
昴「不安に思うより、楽しむ方が得だろ」
「……うん」
否定の仕様がない昴の言葉に、コクンと頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 114人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海(プロフ) - りこさん» お久しぶりです！駆け足ですが完結しました！閲覧してくださり、ありがとうございます！余っているページで番外編をやりたいと思っておりますので、もう暫くお付き合い頂ければ嬉しいです♪ (2019年4月10日 21時) (
レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
りこ - お久しぶりです！完結しちゃうんですか。もっと続きがみたいです！デートストーリーやおうちストーリーなど (2019年4月7日 21時) (レス) id: 45f78a918e (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - ao.aoさん» コメントありがとうございます！中々いませんよね(笑) 純粋すぎて、書いていて妙な気持ちになります(オイ) 完結まで残り僅かなので、最後までお付き合い頂ければ幸いでございますm(__)m (2019年4月6日 9時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao(プロフ) - いいなぁーいいなぁーこーゆーの好きです…今時いないこんな子…いいなぁー更新楽しみにしてます (2019年4月5日 21時) (レス) id: c44633c2f8 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - りこさん» うちの青色さんは余裕そうに見えて全く違う人です(笑)そして、りこさんご名答です！ご想像の通り、恥ずかしくて言えない松川ちゃんです(笑) (2019年2月22日 21時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：海 | 作成日時：2018年11月26日 23時
