〜drama〜2nd

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(hidaka-side)


普段AAAというグループで活動してる事を話したり、黒沢さんが脳外科専門で、大学卒業後１年日本で働いた後にアメリカへ渡った話を聞いたりして。



一通り簡単な自己紹介が終わると、黒沢さんは徐に切り出した。



拓「桜子は随分と君に心を許してるみたいだね」


日「そう、ですかね」


拓「ああ。ほら、桜子は無表情なところがあるけど、意外と分かりやすいだろ？」



ニコニコと楽しそうに話す黒沢さん。



拓「心を許した相手には表情が出る事もある。きっと日高くん相手だと、自然でいられるんだろうな」



心を許した相手に、桜子の表情が少し変わる事。



俺が桜子と出会って、知った事は。




黒沢さんにとって、当たり前に知ってる事だった。





日「……黒沢さんは、桜子と昔付き合ってたんですよね」


拓「ああ」


日「今回、日本に戻ってきたのは…」


拓「１番は仕事だよ。まあ、桜子は元気にしてるかなと気にはなったけど」



珈琲を一口飲んで、黒沢さんは目を細めた。



拓「知ってるかもしれないけど、桜子は国内でもトップレベルの心臓外科医なんだ」


日「……」


拓「だけど、昔のトラウマもあって、少し脆いところがある」



桜子さんの過去も知ってるのか。



……俺が知ってる事を、この人が知っていても不思議ではないのだけれど。



俺が知ってる事は勿論、俺の知らない事も沢山知っているような気がして。



たったそれだけで黒い感情がドロリと出てきそうになって、慌てて話に集中した。



拓「日高くんの些細な行動でも、桜子は大きく揺らぐことがあるかもしれない」


日「つまり何が言いたいんですか？」


拓「……将来有望な、才能溢れた医者なんだ。軽はずみな気持ちで、桜子の心をかき乱すような事はしないでほしいと約束してほしい」


日「……それは、黒沢さんには関係ないですよね？」



元恋人関係、それだけでしかないのは事実だろう。



拓「そうだ。俺はただの元彼。だけど、それでも情はあるものだよ」



まっすぐな、強い眼差しと、



拓「俺にこんな事を言う資格がない事は分かってる。でも、桜子を傷付けたら、許さない」



強い言葉に、俺は何も言い返せなかった。

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