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(you-side)
日「何で2人が一緒に?」
何故一緒に?
それは、私の台詞だ。
ドロリと溢れ出す黒い感情。それは、私も知らなかった、私の一面。
ミ「どちら様ですかー?」
拓「俺、は……桜子と同じ、医者だけど」
ミ「えー、そうなんだぁ。何か九条先生とお似合いですねっ」
ね、と光啓の腕に絡み付くミリアさんに、光啓は焦ったように引きはなそうとしていて。
それにすら、苛立ちを覚える自分に驚くと同時に。
自分が酷く惨めで、滑稽で、醜く思えた。
それが悔しいのか、悲しいのか分からない。
日「!桜子、何で泣いて…」
拓「日高くん、前に言ったよな」
また流れ始めた涙に、伸ばされた光啓の手は、拓真によって払われる。
拓「桜子を傷付けたら、許さないって」
聞いたことがないくらい冷たい拓真の声音。
拓「その子、君の何?」
日「何って……後輩、」
ミ「日高さんが好きなんです!」
割り込んだミリアさんは腕に力を込めているんだろう。
ミ「私は日高さんが好き。九条先生よりもずっと、日高さんを支える事ができる」
日「何言って……!」
拓「君だって気付いてたんじゃないのか」
日「俺はただ……、」
もつれこむ話。
私はそれを、何処か他人事のように眺めていた。
拓「とにかく、君らがどうなろうと、どうでも良い」
日「どうでも良いわけないだろ!」
拓「俺は、桜子をアメリカへ連れていこうと思ってる」
日「は?」
……どうして、こんなことになったのだろう。
拓「桜子をヘッドハンティングするために、俺は日本に来たんだ」
日「……いや、話が飛躍しすぎて…」
拓「まあ、無かった事にするつもりだったよ。初めは」
光啓に知らせるつもりなんて、少しもなかった。
それで良い、筈だった。
拓「でも、桜子自身のキャリアアップに繋がるし、何より……桜子が異動を断った最大の理由である日高くんがこの有り様だ」
どうして、光啓はこんな形で知ってしまったのか。
どうして、拓真にこんな事を言わせてしまってるのか。
拓「桜子は、」
「もうやめて……、」
──全部、私のせいだ
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海(プロフ) - ハナリーンさん» ありがとうございます!黄色さんは勿論、九条先生も格好いい女性を目指してたので、嬉しいです。キュンキュンして頂けたのなら本当に幸いです!閲覧してくださり、ありがとうございました!! (2018年11月26日 19時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
ハナリーン(プロフ) - 九条先生もだっちゃんもすっごくかっこよかったです。キュンキュンしました! (2018年11月23日 1時) (レス) id: 33cb9575e2 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - みどりまんさん» ありがとうございます!私の書く日高くんや終わり方を気に入って頂けて…嬉しいです!みつみさの電話は私もお気に入りなんです(笑)電話相手は誰にするか悩んだんですが、私の推しに出てもらいました(笑)ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました!! (2018年8月25日 19時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
みどりまん(プロフ) - 完結お疲れ様です!!一途な日高君、本当に読んでいて涙が出るくらい好きでした!終わり方が本当に素敵で素敵で、仕方ないです!!個人的には、最後のみつみさの電話の宇野ちゃんの一言がたまらなく好きです笑お疲れさまでした! (2018年8月25日 11時) (レス) id: 62c1352e89 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - オーバーさん» ありがとうございます!私も一夜あけて、絶賛dramaロスです(笑)まだ詳細は決まってなく時期も未定ですが、いつか短編集でこっそり番外編を書けたらと思ってますので、ご縁があればそこでもお会いできたらなと思います。執筆中も激励を下さり、ありがとうございました! (2018年8月25日 10時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海 | 作成日時:2018年6月28日 19時