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(you-side)


「お邪魔します」


日「いらっしゃい」



仕事終わりに携帯を見ると、日高くんからメールが来ていて。



──今日と明日オフなんだけど、桜子さんは仕事?



仕事上がりだったから予定は空いていて。



だけどお互いに仕事だったのもあって、何処かへ出掛けるというのも……という事で、彼の自宅へお邪魔する事になったのだった。





モノクロを基調とした家具が置いてある、シンプルな部屋。



だけど奥の机に、数枚の紙が乱雑に置かれていた。



日「あ、ごめん。歌詞書いてたから…片付けるよ」


「そのままで大丈夫よ。キッチンを借りても良いなら夕飯作るから、その間お仕事していたら?」


日「え、でも」



罰が悪そうに眉尻を下げる日高くん。



だけど、彼が仕事人間なのはもう知っている事だし、私と会うギリギリまで作詞していたのだろうから。



「お料理、好きなの。だから私も良い気休めになるし、それまでの間好きにしてて」



これも本当の事。


料理をしている間は、仕事の事から頭を切り離す時間。



私も仕事人間であると自負しているから、仕事から頭を切り離す時間は大切だと考えている。




日「……じゃあ、お言葉に甘えて。キッチンのもの、好きに使ってくれて良いから」


「分かったわ」



こういうこともあろうかと買ってきていた食材を並べて、準備を進めながら私はふと部屋の奥を見やる。





日「…………」



真剣な表情で顎に手を当てている日高くんに、少し微笑ましい気持ちになりつつ。



私も自分の作業に集中したのだった。









.









日「旨っ」



サクッ、と天麩羅を一口食べた日高くんは目を細めて笑った。



日「家で天麩羅食べれるなんて思わなかったよ」


「何だか無性に食べたい気分だったの」



日高くんが何を好きなのかいまいち分からなかったから、自分の食べたいものにしたのだけれど、それでも彼は喜んでくれた。



日「前にお弁当もらった時も思ったけど、桜子さんって料理上手だよね」


「里親に引き取られてから、教えてもらっていたから」



施設に入ったままでは、大人数の中で料理なんて覚えなかっただろう。



その意味でも、私は恵まれてるのだと思う。



家庭で育つことが必ずしも正解とは言えないけれど、きっと、少なくとも私にとっては正解だった。

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(プロフ) - ハナリーンさん» ありがとうございます!黄色さんは勿論、九条先生も格好いい女性を目指してたので、嬉しいです。キュンキュンして頂けたのなら本当に幸いです!閲覧してくださり、ありがとうございました!! (2018年11月26日 19時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
ハナリーン(プロフ) - 九条先生もだっちゃんもすっごくかっこよかったです。キュンキュンしました! (2018年11月23日 1時) (レス) id: 33cb9575e2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みどりまんさん» ありがとうございます!私の書く日高くんや終わり方を気に入って頂けて…嬉しいです!みつみさの電話は私もお気に入りなんです(笑)電話相手は誰にするか悩んだんですが、私の推しに出てもらいました(笑)ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました!! (2018年8月25日 19時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
みどりまん(プロフ) - 完結お疲れ様です!!一途な日高君、本当に読んでいて涙が出るくらい好きでした!終わり方が本当に素敵で素敵で、仕方ないです!!個人的には、最後のみつみさの電話の宇野ちゃんの一言がたまらなく好きです笑お疲れさまでした! (2018年8月25日 11時) (レス) id: 62c1352e89 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - オーバーさん» ありがとうございます!私も一夜あけて、絶賛dramaロスです(笑)まだ詳細は決まってなく時期も未定ですが、いつか短編集でこっそり番外編を書けたらと思ってますので、ご縁があればそこでもお会いできたらなと思います。執筆中も激励を下さり、ありがとうございました! (2018年8月25日 10時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年6月28日 19時

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