〜HORIZON〜12th

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(you-side)


ステージ上に私1人が残ると、自然とペンライトのカラーを白にして、みんなが私に期待の目を向けてくれる。



それを嬉しくも、有り難くも、ほんの少し申し訳なさも感じて。



「…今日、私は一体何を歌うんだろう。そう思ってる人も多いかもしれないですね」



何度もこのドームツアーに足を運んでくれてる人も、SNSで先に情報を知ってしまった人もいるだろうけど。



「多分ね、みんなの予想はどれも間違ってるかな」



スタッフからギターを受け取って、マイクの位置を確認する。




「今日歌う曲は、AAAの曲ではないんです」



その言葉に騒つく会場。



それにフワリと微笑む。



「あ、他の人のカバー曲でもないですよ」



ということは。


もう絞られてきた答えに、予想のついた人も多いだろう。




「実は、この日の為に曲を作ってきました」



小さく歓声が上がって。



その事に喜びを感じるのは、長年変わらない。





「最近はソロでも作詞だけで、作曲はプロの方に任せていたんですけど、この曲は珍しく作曲もしました」



作詞にかなり時間がかかってしまって。



そこからメロディーを載せたから、本当にギリギリになってしまった。



だけど、何とかレコーディングまで間に合って。



「明日、ドームツアーが終わって、日付が変わったら配信もされます。よかったら聴いてね」



殆ど休みなく編集をしてくれたスタッフ達には本当に感謝しかない。





「この曲のテーマは、そうですね……私の人生、かな？」



みんな、真剣に私の話に耳を傾けてくれるけど。



中には疑問に思ってる人もいるだろう。



どうしてAAAのライブでソロ曲を披露するんだろう、と。



中には私のソロ曲には興味がない人だっているだろう。





ーーでも、今じゃなきゃ…AAAファンのみんなの前じゃなきゃ、意味がないんだ





「それでは聴いてください。‘軌跡’」

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