〜HORIZON〜12th

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(youーside)


與「日付変わった瞬間にみんなで突撃したろうか」


日「それも面白そうだけど、」


末「今回は譲ってやろうぜ」



9月30日は隆弘の誕生日。



明日のライブでも祝うつもりではあるけど、一足先にみんなでお祝いするかと相談が上がって。



宇「恋人特権だよ」


浦「明日はもうみんなのにっしーになっちゃうから、日付が変わる瞬間くらいは独占してきな」


與「それもそうやな。にっしーもそっちの方が喜びそうやし」



だけどみんな、気を使って私に譲ってくれた。




「それじゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな」



そう、言ったはいいものの。









ーーいざ、部屋の前に来ると何だか緊張するな…



妙にドキドキして、ノックする手が微かに震えた。






西「ありがと」



嬉しそうに微笑んでくれたことが嬉しくて。



それと同時に、胸の奥がチリリと揺れる。





「隆弘が帰る日の夜に届くようにしてあるから、帰ったら確認してね」


西「うん、ありがとう」




ーー気付かないでほしい


ーー気付いてほしい





緊張と、嬉しさと。



その中に隠した、１つの秘密。





「それじゃあ、明日も早いし私はこれで」


西「ん」



ドアを開けようとした私の腕を引いて。



私の額に唇を落とした隆弘は、柔らかく微笑む。



西「おやすみ」


「…おやすみなさい」





そこから、早足で自分に割り当てられた1人部屋に戻ってきて。



「っ…」



ギュッと苦しくなった胸に手を当てた。





ーー大好き、


ーーだいすき



改めて強く、そう感じて。





「…！」



いつの間にか、涙が頬を伝った。



それを雑に拭って、スマホを開けば。





SNS上は、AAAにっしーへの祝福の言葉に溢れていた。




「…ほんと、沢山の人に愛されてるなぁ」



みんなのにっしーだから。


もっと、もっと高みに行ける人だから。





ーーこれ以上は、バチが当たるね





ずっと、ずっと考えていたこと。



あともう少しだけ、許されるのなら。





ーー‘それ’を願うことを、どうか許してほしい

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