〜HORIZON〜12th

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(nishijimaーside)


ドームツアー最後の地、福岡。



AAAとしてこのステージに立つのは初めてで、色んな意味で緊張もしている。



でも、メンバーもスタッフもリハには慣れたもので、特に大きなトラブルもなく終わった。





浦「それじゃあ今日はよく寝て、明日からの2日間に備えてね」



かいさーん、と。


リラックスした雰囲気で今日の予定は終了。





晩ご飯を食べてから、ホテルに戻ってきて、シャワーを浴びて。



少しだけ仕事をしようと、ノートパソコンと向き合っていたときだった。




西「…？」



コンコンと音がした気がして、顔を上げる。



ーー気のせい…か？



集中していたから空耳だったかもしれないと。



再びノートパソコンに視線を落とそうとしたところで、今度はハッキリとノック音が耳に届いた。





西「はいはい」



こんな夜遅くに一体誰だと、覗き穴から確認すると、よく知る人物で。





西「こんな遅くになーにしてんのさ」


「えっと、」


西「ていうか呼び鈴鳴らせよ」



呟けば、「確かに」と苦笑した詩は完全に失念していたらしい。




西「取り敢えず入って」


「うん、お邪魔します」


西「どうしたの？何かあった？」



詩から訪ねてくるのは結構珍しくて。



こういう時は大抵何かあったときだからそう聞けば。



「……」


何故か時計の針に目を向けた詩は「良し」と頷いて。





「1番に伝えたくて」


西「？」



「お誕生日おめでとう」



その言葉に。


ーー嗚呼、30日になったのか



自分の誕生日の存在を思い出した。





「日付が変わる瞬間だけは、私だけがお祝いしたかったんだ」



成功だね、なんて微笑む姿に。



ーー今のはキュンときた



可愛い、と思わず口元に笑みが浮かぶ。




西「ありがと」


「それでね、プレゼントなんだけど…家に送っといたから」


西「うん……ん？送っといた？」


「そう、加湿器新しくしたいって言ってたでしょ？隆弘が帰る日の夜に届くようにしてあるから、帰ったら確認してね」



思っていたよりも実用的な物で、少し驚いたけど。



西「うん、ありがとう」



詩らしくて、それも嬉しかった。

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