〜HORIZON〜12th

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(youーside)


「この中には私1人じゃなくて、みんなで歌ってほしいって思ってる人も沢山いるかもしれないんですけど」



カラフルなペンライトを、本編のように遠隔操作で変える事はお願いしなかった。



「この1曲を歌ってる間は、誰のファンとか関係なく、純粋に歌を楽しんでくれたら嬉しいです」



アンコールだというのもあるし。


たとえ誰推しだとしても、みんなきっとAAAを好きでいてくれることに変わりはないから。





「それでは聴いてください。…Thank you」



優しいイントロを聴きながら、ゆっくりと身体を揺らす。



「暗闇迷う時も いつも側に君がいたから」



毎公演、違う曲を歌いたい。


その日に来てくれたファンの人の為に、特別な1曲を。



そう思って選んだ、ドームツアー初日はThank you。



「伝えたい想いはまだまだ足りないけど」


「Thank you for Love」



ソロだから当然メインボーカルで。



1人の分やっぱりミスは目立ちやすいし、この喉でどこまでやれるのか少し不安だったけど。



「地球の一番上よりも僕らは一番君の側にいる」



ーーよかった


ーーちゃんと高音も出る



どうしてか。


歌っている時だけは、喉の不調も忘れていられる。




「羽は一つじゃ空も飛べない」


「でも知ってた？意外と世界は狭い」



気を遣ってなのか、ペンライトのカラーを白色に変えてくれる人もいたし、それは素直に嬉しかったけど。



「世界が一つだってこと」


「宇宙が無限大だってこと」


「地球がまん丸ってこと」


「僕らが繋がっている理由」



彩りどりのカラーもとても綺麗で、眩しかった。




「未来の一番果てよりも」


「僕らは一番君の横が好き」





歌い終わって深く礼をすれば、身体中に響く優しい拍手の音。



顔を上げると、遠くてもしっかりみんなの笑顔が見えて。





ーー後、


ーー後、何度…この景色が見られるんだろう





まだドームツアーは始まったばかりなのに、そんな事を考えて、内心で苦笑した。

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