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(urataーside)
莉子ちゃんは暫く呆然と俺を見つめていたけれど。
フと苦笑して、目を伏せる。
莉「浦田さんはいつもそうですね」
浦「え?」
莉「以前、綾瀬さんから聞いたんですよ。デビュー前に自分がAAAを脱退する時、1番自分の事を突き放したのはリーダーだったと」
浦「ああ…」
言われて、確かにと思い出す。
昔、詩に。
辞めても良い。だけど、もう戻っては来れないと。
そんなニュアンスの言葉と態度を投げかけたと思う。
詩の場合はまた例外で、結果的にもう一度戻ってきてくれたけど。
莉「真っ先に突き放す態度は、本当は相手の人生を考えてのこと。…それが貴方の優しさなんですね」
浦「はは、それは買い被りすぎ。俺は多分、メンバーの中で誰よりも冷たい男だから」
莉「じゃあ質問ですけど、」
浦「うん?」
莉「考えた結果、伊藤さんがAAAと子育てを両立すると言ったら、どうしますか?」
その選択は、決してあり得ないものではなくて。
充分に考えうる可能性。
その道を選んだ時、きっと色んな弊害が起こる。
グループにとっても、今まで以上に活動が大変になるだろう。
その未来を。
少しだけ考えて。
浦「その時は、こっちも覚悟決めて全力で支えるしかないでしょ」
もし、それでも彼女がグループを取るのなら。
その覚悟には、誠意を持って応えたい。
迷惑とか、負担とか。
勿論それもあるけど、そうじゃない。
ーー何より、千晃自身が納得できる答えを出してほしい
それに応えるのがリーダーというものだろう。
莉「…ふ、ふふ」
浦「何?」
莉「すみません。やっぱり優しいなと思って」
可笑しそうに目を細めた莉子ちゃんは、憑物が落ちたような表情をしていた。
莉「そうですよね。私もマネージャーとして、メンバーのどんな選択にも応えられるように心構えしときます」
浦「あは、お世話になります」
本当、頼りになるなと。
改めてそう感じた。
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海(プロフ) - もえさん» 初めまして、コメントありがとうございます!またまた不穏な展開になって参りましたが、マイペースに更新していきますので、見守って頂けると嬉しいです。これからもよろしくお願い致します! (2020年7月20日 22時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
もえ - 初めまして、いきなりコメント失礼します。いつも楽しみに読ませてもらってます!主人公がこれからどうなるのか凄く気になります。これからも更新楽しみに待ってます!! (2020年7月19日 16時) (レス) id: 3ff6af9b82 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - Okymtyu1さん» ありがとうございます!マイペース更新ですが、出来る限り丁寧に書いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2020年5月24日 15時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
Okymtyu1 - この小説ほんとにおもしろいです!これからも頑張ってください!! (2020年5月23日 19時) (レス) id: 5c489e2e72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海 | 作成日時:2020年5月18日 22時