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(urataーside)


同じ事務所、同じグループ。



ともなれば、事務所に来れば偶然会うなんて事もよくあって。





伊「…あ、」


浦「おはよう」


伊「おは、よう…」



無視するわけにもいかないからそう言えば、気まずそうに挨拶が返ってくる。



浦「ソロ?」


伊「ん…ちょっと、社長と話してた」


浦「そう」



今後の事について相談してたのだろうか。



ちょっとだけ気になったけど、特に深掘りする事はなく、横をすれ違う。





浦「じゃ……早く決断しなよ」



通り過ぎる際にそう言えば、ビクリと肩を揺らした千晃が小さく頷いたことがわかった。









莉「浦田さん…」


浦「莉子ちゃん?あれ、詩は?」


莉「今日はもう帰しました。…それより、」



莉子ちゃんは周囲に誰もいない事を確認してから、小さい声で呟く。





莉「伊藤さんの事……怒ってますか」


浦「まあ、怒ってるか怒ってないかで言えば、怒ってるけどね」



自分がした事の責任は自分がとるべきであって。



その点、先日のにっしーの言葉に関しては心から正論だと思う。





浦「別に、千晃の事が嫌いなわけじゃないよ」


莉「それは分かってます。ただ、」


浦「AAAを辞めてほしいように見えるって?」



笑みを浮かべれば、莉子ちゃんが凍り付いた。





11年。決して短くはないその期間、勿論共に走り続けてきたメンバーとして情がないわけじゃない。



寧ろ千晃の事は人として好きで、恋愛感情ではないけど大切なメンバーだと思ってる。





浦「…確かに俺は、そう思ってるかもね」



それなのに。


こう考える俺は、本当に冷たい人間なのかもしれない。





莉「っ……他の方も、そこまでは思ってないんじゃ…」


浦「だからこそ、だよ」





でも、誰かがそうならなきゃいけない。



他のメンバーには、その役目をおわせたくはない。





浦「今、千晃には新しい未来がある。その未来にはきっと、AAAは重荷になる」



きっと、千晃の方から一方的に切り捨てることなんて出来ない。



だって、千晃もまたAAAの一員だから。



誰よりもAAAの事を大事にしてるのは、千晃だって一緒だから。





ーーそんな事、分かってるんだよ





大切に思ってないわけがない。



その程度の気持ちなら、11年もやってこれなかった。

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(プロフ) - もえさん» 初めまして、コメントありがとうございます!またまた不穏な展開になって参りましたが、マイペースに更新していきますので、見守って頂けると嬉しいです。これからもよろしくお願い致します! (2020年7月20日 22時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
もえ - 初めまして、いきなりコメント失礼します。いつも楽しみに読ませてもらってます!主人公がこれからどうなるのか凄く気になります。これからも更新楽しみに待ってます!! (2020年7月19日 16時) (レス) id: 3ff6af9b82 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Okymtyu1さん» ありがとうございます!マイペース更新ですが、出来る限り丁寧に書いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2020年5月24日 15時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
Okymtyu1 - この小説ほんとにおもしろいです!これからも頑張ってください!! (2020年5月23日 19時) (レス) id: 5c489e2e72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年5月18日 22時

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