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(youーside)


千「何かあったの?」



何だか表情が険しいわよ、と。


お母さんは私を見て、首を傾げる。





「…もしも、の話なんだけど」


千「ええ」



どうして此処に来たのか、自分でもよく分からない。




「どうしたら…この場に、兄さんがいたかな」


千「…、」



どうして今、この話を持ち出したのかも。



ちゃんとした理由は言えなくて。





ただ、何となく。



今のAAAの状況を、家族に重ねてしまう自分がいた。





千「……」


「…ごめんなさい、私」


千「いいえ、謝るのは私の方よ。……そうね、詩ちゃんとそういった話は、今までしないようにしてきたから…」



何処かで触れないでおこうという暗黙の了解がお互いにあった。



わざわざそれを侵した意味を、きっとお母さんは何となく勘付いている。







千「相手を想っているようで、実は自分の事で精一杯だったのよね」


「自分の事で?」


千「あの時の私は、とにかく家族4人が揃えばそれで良い。その気持ちに囚われて、奏や詩ちゃんの気持ちも…あなた達のお父さんの気持ちにも、全く気付いてなかった」



少し困ったように、悲しげに目を細めてお母さんは続ける。



千「だから、私自身がどうして家族4人揃って…と願うのか。そもそも自分自身の本当の願いにも気付けなかったのよ。ただ、幸せな家族を築きたかっただけなのに」


「お母さん、」


千「どうすれば良かったか、これはあくまで私の考えだけど……やっぱり人の気持ちって、ちゃんと表に出さなきゃ分からないものだと思う」


「それは、伝えるって事?」


千「そうね。ちゃんと話し合って……言葉にして初めて自分の気持ちに向き合って、自分の本当の願いに気付ける事もあると思うから」



そっと伸ばされた優しい手が、私の頰を撫でる。




千「詩ちゃん…どうか、貴女は私と同じ過ちを繰り返さないで。貴女の大切なものを守れるように、後悔しないように」


「…うん」



正直、まだ答えは出ていない。



だけど。




「ありがとう、お母さん」




今、やるべき事は決まった。

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(プロフ) - もえさん» 初めまして、コメントありがとうございます!またまた不穏な展開になって参りましたが、マイペースに更新していきますので、見守って頂けると嬉しいです。これからもよろしくお願い致します! (2020年7月20日 22時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
もえ - 初めまして、いきなりコメント失礼します。いつも楽しみに読ませてもらってます!主人公がこれからどうなるのか凄く気になります。これからも更新楽しみに待ってます!! (2020年7月19日 16時) (レス) id: 3ff6af9b82 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Okymtyu1さん» ありがとうございます!マイペース更新ですが、出来る限り丁寧に書いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2020年5月24日 15時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
Okymtyu1 - この小説ほんとにおもしろいです!これからも頑張ってください!! (2020年5月23日 19時) (レス) id: 5c489e2e72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年5月18日 22時

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