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(nishijimaーside)
幾らグループの方でゴタゴタがあったとしても、仕事は無くなりはしなくて。
詩を連れ帰ってきたのは良かったものの、その彼女を放置して、俺は目の前の仕事に没頭していた。
「珈琲、置いておくね」
気遣わしげな声と、コトンとマグカップが置かれる音がした事を何となく認識はしていたけれど。
集中している内は、そこを意識することができなくて。
西「……」
無言でパソコンと向き合う俺を暫く見つめていた詩が、そのままダイニングテーブルに戻って1人ココアを飲んでいた事に、俺は気付かなかった。
.
仕事がキリの良いところまで片付いた時、既に時刻は深夜で。
ふと顔を上げれば。
「……」
西「詩？」
テーブルに突っ伏している姿。
少し焦りを抱いて顔を覗き込めば、穏やかに寝息を立てていて。
ーー疲れて、寝落ちたのか
一日中撮影をしていたんだから、無理もないと。
放ったらかしにしてしまった事を反省しつつ、華奢なその身体を横抱きにして運ぼうとする。
「……ん、」
だけど、俺が触れると詩はゆっくりと目を開けて。
「…おしごと、おつかれさま」
トロンとした目でそう言うと、自分で立ち上がった。
西「ごめんな」
「どうして謝るの？私の方こそ眠っちゃってごめんね」
自分だって、しんどいのに。
千晃の事もあって、余計に不安になってるはずなのに。
それでも俺の事を気遣ってくれる。
ーー本当、俺には勿体ない
そうは思うけど、もう手放せないのも事実だ。
「…隆弘」
西「ん？」
ベッドで横になると、詩は徐に口を開いた。
「千晃に、子どもの気持ちを考えてって言ったでしょ？」
西「うん」
「……自分が千晃の立場だったら、どうしてただろう」
言葉が返せなかった。
仮に詩が妊娠したのだとしたら。
俺は詩にも同じように、仕事上の責任について説くことができたんだろうか。
そもそも、その場合は俺の責任でもあるのだろうから。
西「……たらればを言ったって仕方ないでしょ」
「そうだね…」
目を閉じた詩はまた眠りにつく。
ーー仕方ないだろう
ーーだって妊娠したのは、他の誰でもない千晃なんだから
メンバーとしては、誰の事も対等に大切に想ってる。
でも、プライベートで。
詩以上に大切な人はいないんだから、どうしようもない。
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海(プロフ) - もえさん» 初めまして、コメントありがとうございます！またまた不穏な展開になって参りましたが、マイペースに更新していきますので、見守って頂けると嬉しいです。これからもよろしくお願い致します！ (2020年7月20日 22時) (
レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
もえ - 初めまして、いきなりコメント失礼します。いつも楽しみに読ませてもらってます！主人公がこれからどうなるのか凄く気になります。これからも更新楽しみに待ってます！！ (2020年7月19日 16時) (レス) id: 3ff6af9b82 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - Okymtyu1さん» ありがとうございます！マイペース更新ですが、出来る限り丁寧に書いていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします！ (2020年5月24日 15時) (レス) id: 37dc25736a (このIDを非表示/違反報告)
Okymtyu1 - この小説ほんとにおもしろいです！これからも頑張ってください！！ (2020年5月23日 19時) (レス) id: 5c489e2e72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海 | 作成日時：2020年5月18日 22時
