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(goto-side)
後「……はぁ」
わかってる。
千晃は何も悪くないことも。
コーラスという自分の役割をしっかりとこなして、AAAの力になっていることも。
ダンスだって、決して悪くないことも。
でも、認めたくない。
『AAAの8人目はいつだって詩しかいないんだから!メンバーなのは絶対変わんないから!』
2年前に詩に言った自分の言葉に、嘘をつきたくはないから。
いつまでも引きずるあたしを子どもだって、誰もが思うんだろうけど。
せめてあたしだけは、ってそう思うの。
後「……戻んなきゃ」
いつまでも練習を投げ出してるわけにはいかない。
戻ろうと踵を返した瞬間。
後「っ……、ぅ…」
グルグルと目の前が回って、息が出来なくなる。
目の前が真っ暗になって。
あたしはそのまま意識を失った。
.
.
(ito-side)
……泣いちゃダメ。
そう自分に言い聞かせるのは何度目だろう。
ゆかりんが出ていって、「千晃は気にすることない」ってだっちゃんが肩を叩いてくれて。
「頑張ってるのは知ってるから」ってリーダーが笑ってくれて。
「ていうか頑張りすぎな」って秀ちゃんが呆れるように、でも気遣ってくれて。
いつも夜には宇野ちゃんが暖かいメールをくれる。
にっしーも、真ちゃんも私を励ましてくれる。
……そんな、皆の優しさが余計に苦しくなるんだ。
私がもっと努力しないといけない。
今、メンバーの心がバラバラなのは私のせいだ。
毎晩のように自分を責めて、ベッドの中で泣いて。
いつの間にか疲れて眠りに落ちていても。
夢に見るのは、AAAのこと。
ライブ中に「下手くそ!」と私に向かって怒鳴るファンの声。
呆れたようにため息をつくメンバー。
そして肩を優しく叩かれて、勢いよく振り返れば。
「今日からは私が復帰するから、もう貴女は必要ないよ」
そう言って微笑むあやちゃんを見ては、飛び起きる。
いつからだろう。
ただ憧れだった彼女が、畏敬の対象になったのは。
走り続けても、走り続けても目の前に高く聳える、あやちゃんという壁。
それでもやめられないのは、こんな私にも出来ることがあると信じているから。
パチンと頬を軽く叩いて気合いを入れ直すと、メンバーもホッと息をついていて。
そんな私達の元にゆかりんが倒れたと連絡が来たのは、数分後のことだった。
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海(プロフ) - あいさん» こちらこそ再びコメントを頂けて嬉しいです♪ありがとうございます!少し書き溜めてからの公開を考えていますので、もう少しお待ちください。楽しみにして下さってる方がいる事が何よりの励みです!頑張ります!!これからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月19日 23時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - まどれーぬさん» こんばんは!大変な時だというのに、わざわざありがとうございます(>_<)明日、普段通りの実力が出せますように…受験頑張ってください!!激励のコメントも、ありがとうございました! (2018年3月19日 23時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
まどれーぬ(プロフ) - こんばんは〜!明日受験があるのに気になって読ませていただきました〜!これからも頑張って!! (2018年3月19日 19時) (レス) id: 6ca81d105b (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 返信ありがとうございます(*´∇`*)2章楽しく読ませてもらいました(^o^)3章も楽しみにしてます(o≧▽゜)o頑張って下さい☆ (2018年3月19日 18時) (レス) id: 79d2b3f374 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - あいさん» こんにちは、ありがとうございます!次回更新で2章完結予定ですので、暫くお待ちくださいませm(__)mこれからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月18日 14時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海 | 作成日時:2018年2月18日 22時