〜HORIZON〜2nd

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(you-side)


激しい胃の痛みを薬で誤魔化せば、後に残ったのは緊張感。



本番間近になって、着替えて待機していれば、聴こえてくる会場のざわめき。





「にっしー！」


「宇野ちゃーーん！」


「真ちゃーん！」



各メンバーを呼ぶ声もちらほらと聴こえてきて。





「ゆかりんーーー！！」



友香里を呼ぶ声は、きっと私がここにいるから起こったんだ。



そんな考えが浮かんで、苦々しい表情を浮かべるメンバーに罪悪感を感じる。





「配置についてください！」



浦「行こう」



スタッフの声に全員が移動して、映像が始まる。









西「こんばんは、」


全「AAAです」



昨日とは違う、私入りの映像。



だけど現れたAAAの姿に、割れんばかりの歓声が巻き起こった。



浦「去年、１人のメンバーが脱退し、AAAは７人として活動してきました」


宇「だけど今日からは、新たに１人の仲間が加わります」


西「今日からAAAは、新しいAAAになって、走り出すから。これからもよろしく！」



「はじめまして、綾瀬詩です。今日、色んな思いでここに来た人がいると思います。だけど、来てくれた全てのファンの皆さんに感謝を込めて、精一杯頑張ります。私を含めた８人のパフォーマンスを是非見てください」





暗転し、流れる一曲目‘ZERO’は私を含めた新曲のうちの１つ。



浦「暗黒で火を点せど闇の底は視えもせず」


浦?「培養され跳躍せし身 囚われの」


貴浦「ケモノ」


貴浦「まだ君から溢れる滴を愛と呼べるなら 僕の目蓋を濡らして同じ幕のリアリズム」





１音１音を、１つ１つの動きを大切に。



AAAのパフォーマンスはやっぱり全員が揃うと圧巻で。



会場の熱気が上がっていくのを肌で感じる。



２曲目、３曲目と次々に過ぎていく曲をどこか夢心地に思いながら。



３曲目に入る頃には、観客を確認する余裕が生まれ始めていた。



皆、私を見ている訳じゃない。



私の事を否定する人も沢山いると思うけど。



今はAAA全体を見て、楽しんでくれている。



テンションが上がりつつも、内心でホッと息を吐いた。









状況が変わったのは、人気曲‘Get チュー!’



これは元は実彩子が殆どのメインを務めていた曲だけど、２番は私が代わりに入る事になっている。

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