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(you-side)
ソロでもグループでも好きな方で。
真司郎の言葉は私の中でぐるぐると巡り続けていて。
気付けば、明日には結論を出さなくてはいけなくなってしまった。
それなのに私の心はまだ揺れていて。
自然と足が向かったのは、前まで住んでいた高倉家だった。
「あら詩ちゃん、いらっしゃい」
突然訪れた私に驚きつつも歓迎してくれたおば様に着いて中に入ると、聴いたことのある音楽に足を止める。
「これ、」
「うふふ、AAAのライブ映像。つい買っちゃったのよ」
友香里がいた頃の、8人のライブ。
CDは買っていたけれど、ライブを見るのは初めてだった。
「……」
「お話があったのなら、消した方がいいわね」
「ううん、付けたままで大丈夫」
遠くから見つめる私に気を遣っておば様が言うのを止める。
ココアを入れてもらって、暫くは二人で静かにライブ映像を眺めていた。
「実彩子ちゃん、凄いわね」
「おば様、会ったことあった?」
「いいえ。でも詩ちゃんがよく話をしていたから、1番親近感は感じているわ」
笑いながらおば様は続ける。
「メインボーカルの女の子は実彩子ちゃん一人だから、よく目立つわね。とても力強い歌声、勿論他の子達も華があるけど」
「うん…」
実彩子は本当に凄いと思う。
曲によっては殆ど一人でメインボーカルを担当していたりもして。
もし私がいたら、二人で分けて歌っていたのであろう曲。
だけど実彩子の声はぶれずに、声量を保っていて。
それに合わせて、ダンスだって妥協しない。
私がいた頃よりも、実彩子はパワーアップしている。
…私が、そうさせたんだ。
にっしーとリーダーに並んで、女の子のメインボーカルはたった一人。
勿論メインボーカルじゃないメンバーの皆だって、AAAには必要な存在だけど。
やっぱり実彩子は目立つ分、プレッシャーだって、ファンからの批判の声だって多いはず。
高校の時、一人の男子から告白されて、その男の子が好きだったクラスメイトの女の子から実彩子が悪口を言われた事があった。
ぶりっ子、男好き、終いには援助交際なんて。
ありもしない噂が広まって、一時期女子の集団から冷たい目で見られていた時期もあったね。
実彩子はそれでも気丈に振る舞っていたけど。
1度だけ、私の前で泣いたことがあったのを今でも覚えてる。
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海(プロフ) - あいさん» こちらこそ再びコメントを頂けて嬉しいです♪ありがとうございます!少し書き溜めてからの公開を考えていますので、もう少しお待ちください。楽しみにして下さってる方がいる事が何よりの励みです!頑張ります!!これからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月19日 23時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - まどれーぬさん» こんばんは!大変な時だというのに、わざわざありがとうございます(>_<)明日、普段通りの実力が出せますように…受験頑張ってください!!激励のコメントも、ありがとうございました! (2018年3月19日 23時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
まどれーぬ(プロフ) - こんばんは〜!明日受験があるのに気になって読ませていただきました〜!これからも頑張って!! (2018年3月19日 19時) (レス) id: 6ca81d105b (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 返信ありがとうございます(*´∇`*)2章楽しく読ませてもらいました(^o^)3章も楽しみにしてます(o≧▽゜)o頑張って下さい☆ (2018年3月19日 18時) (レス) id: 79d2b3f374 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - あいさん» こんにちは、ありがとうございます!次回更新で2章完結予定ですので、暫くお待ちくださいませm(__)mこれからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月18日 14時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海 | 作成日時:2018年2月18日 22時