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(atae-side)
黙ったままでいると、詩は続ける。
「AAAを抜けた後、‘ある人’はこうも言ってくれた。「歌え」って。だから私はこれからも歌うの」
與「……詩は歌うの、好きなん?」
「好きだよ」
まるで歌うことに楽しみ以外の別の意味がある気がして尋ねると、詩は笑う。
「歌は、私を大切な人達と繋いでくれる。だからこそ、どれだけ逃げても結局は向き合い続けるの」
その笑顔は、綺麗なのに、何故か痛々しく感じて。
「きっと……私から歌を取ったら、何も残らないね」
與「……大丈夫や。もし詩から歌が取り上げられたら、俺が取り返したる」
俺が守りたい。
突然に、そんな事を思う。
「え?」
きょとんと此方を見る詩に、自分が何を言ったのか把握すると、顔が熱くなった。
與「や、変な意味やなくて……えっと」
何て言えば良いのか、わからなかった。
取り上げられることも、取り返すことも有り得ないのに。
ただ、何となく。
詩が歌うのは、自分の為じゃない気がして。
まるで、そうすることでしか生きる術を知らない女の子である気がして。
このまま放っておけば、消えてしまいそうな予感がした。
與「…詩は好きなだけ歌えばいいと思う。ソロでも……グループでも、好きな方で」
「っ…うん」
控え目に微笑む詩の笑顔は、昔のそれと同じで。
その事に、とても安心した。
AAAには音楽が好きな人間が揃ってると思う。
歌やダンス、制作など、人によって違いはあれど。
皆がみんな自分なりに、音楽を愛してる。
詩もそれは同じで。
でも、詩ほど純粋に、歌でしか生きられないと思っている人間は、メンバーにもいないかもしれない。
一体何が、そんな詩を作り上げたのか。
俺には想像もつかなかった。
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海(プロフ) - あいさん» こちらこそ再びコメントを頂けて嬉しいです♪ありがとうございます!少し書き溜めてからの公開を考えていますので、もう少しお待ちください。楽しみにして下さってる方がいる事が何よりの励みです!頑張ります!!これからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月19日 23時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - まどれーぬさん» こんばんは!大変な時だというのに、わざわざありがとうございます(>_<)明日、普段通りの実力が出せますように…受験頑張ってください!!激励のコメントも、ありがとうございました! (2018年3月19日 23時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
まどれーぬ(プロフ) - こんばんは〜!明日受験があるのに気になって読ませていただきました〜!これからも頑張って!! (2018年3月19日 19時) (レス) id: 6ca81d105b (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 返信ありがとうございます(*´∇`*)2章楽しく読ませてもらいました(^o^)3章も楽しみにしてます(o≧▽゜)o頑張って下さい☆ (2018年3月19日 18時) (レス) id: 79d2b3f374 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - あいさん» こんにちは、ありがとうございます!次回更新で2章完結予定ですので、暫くお待ちくださいませm(__)mこれからもよろしくお願いします(^^) (2018年3月18日 14時) (レス) id: fc74eeea72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海 | 作成日時:2018年2月18日 22時