〜HORIZON〜

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(atae-side)


次の日。


練習はなかったけど、学校が終わってやって来た俺は、１人で自主練に励んでいた。



……オーディションに受かって、デビューを目指してグループ活動を始めたからと言って、ウカウカしてはいられない。



ダンスは秀太の次くらいには上手い自信があるけど。



俺にはダンスしかないから。





元々、歌を捨ててオーディションに挑んだ俺は、自分が歌うことに向いていないのはよくわかっている。



メインボーカルの四人は皆、音域が広くて、聴く人を感動させる歌声を出す。



それは、自分には出せない声で。





それでも、いつも羨ましく思う。



俺も歌が上手かったら。



もうちょっと、声質が違うものだったら。





與「街はParty on Friday 足取りは快調」



きっと、気持ちよく歌える筈やのに。



與「風は爽やか」



どうしても、自分自身で違和感を感じる音。





與「「断然FridayはParty 気持ちだって好調」」



だけど、不意に重なった声に。



與「っ……！？」



後ろを振り返ると。





「君といるから」



詩が笑いながら、続きを歌っていて。






與「何、してんの」


「真司郎が歌ってるなーと思って、入っちゃった」



聴かれていた。



それが気恥ずかしくて、目を逸らす。





「真司郎の声は低いから、ソプラノが得意な私は合わせやすいなぁ」


與「お世辞はいらん」



無駄にお人好しなこいつの言葉は聞きたくない。


素直に言葉通りの意味を受け取れるほど、俺は人間できてない。





與「自分でもわかっとる。俺は歌には向いてない」



歌なら、にっしーや直也くんがいる。



それに女子二人がいれば、充分音楽は成り立つ。



與「俺には、パフォーマンスしかない」



それでもいい。



自分の目指す場所へ立てるのなら。

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