今日:2 hit、昨日:16 hit、合計:122,164 hit
小｜中｜大
． ページ12
「どーぞ」とわざわざ助手席のドアを開けてくれるところ。
駐車場まで歩く時に自然と道路側を歩いてくれるところ。
さり気ない優しさはあの頃から変わっていなくて心が締め付けられる。
「…ありがとう」
「家どこ？」
「えっと、」
伝えると「了解」とだけ返されて無言のまま車は走り続けた。
気まずい空気のまま、ただただ窓の方を見つめるしか出来なかった。
あの時から変わってない車。
車内の匂いも、ほのかに香るタバコの匂いも、ひかるの甘すぎない良い匂いも、記憶が蘇るようで苦しくなった。
「…結婚したんだ」
「……え、」
「旦那いるって言ってなかった？」
「…うん、まだ結婚して3ヶ月だけどね」
「ほんとに最近じゃん」
「そうだよ」
「女子会してたってことは旦那は家にいんの？」
「ううん、出張で今いないの」
「そっか」と呟いたのと同時に赤信号で車は一時停止。
ふー…と、一つため息を付いたひかるは「相変わらず可愛くてすぐわかった」と、さっきまでの声色とは違う甘い声でそう囁いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1105人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
糸山露子(プロフ) - さっくんのお話し続きが読みたい (8月1日 4時) (
レス) @page4 id: b4b34b6799 (このIDを非表示/違反報告)
ツキ - その作品を読む私が変態ですが、好きです！本当に好きです！続き、待ってますので！！！ (7月31日 1時) (レス) @page14 id: ee6d8975d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うみ | 作成日時：2023年7月27日 11時
