・ ページ32
｢でもやっぱりそこまで好きなら気持ち伝えた方がいいんじゃない？付き合うとかそういう段階に踏み込む前にゴチャゴチャ考えてもしょうがないでしょ｣
｢でもフラれたらどうしよ･･････｣
｢フラれたとしても気まずい関係になるかは分からないよ、あっちは友達として引き続き接してくれるかもだし。Aの言う｢1番｣が今はAじゃなかったとしても、時間が経てば変わるかもしれない。そのきっかけが告白になるかも｣
友達は机に突っ伏す私の背を撫でた。背中に伝わる手の温度が心地いい。胸の中のつっかえが少しだけ取れて、不安な気持ちがくつろいだ。ネガティブな方向にしか考えられなかった自分にとって、友達のこの言葉は微かな光に感じた。
｢迷惑じゃないかな｣
｢寧ろその逆じゃない？好意を持ってもらえている事自体は、例え自分がその子を好きじゃなくても嬉しいと思うけど｣
猫背になっていた体を起き上がらせて、机に置いてあった携帯を手に取る。矢花くんのアイコンを押すと今までのトーク履歴が画面に映し出された。何気ない話、デートの約束･･････最後のやりとりは次どこに遊びに行くかで止まっている。
｢今日会えるかどうか聞いてみる｣
｢え！！告白する？｣
｢･･････やってみる｣
｢A〜〜〜！！｣
結果どうなるか分からないけれど、矢花くんに自分の気持ちを知って欲しい。友達が言うように、この告白で矢花くんが私を友達以上に意識してもらえるきっかけに繋がるのなら、勇気を振り絞って伝えてみたい。
『今日話したい事があるんだけど、会える？』
打っては消してを繰り返して出来た一文。簡潔だけど、今伝えるのはこれだけでいい。会った時に全部言えばいいのだから。
｢送信します･･････うう･･････はいっ！｣
ボタン1つ押すのにここまで緊張するとは。友達に見守られながら送信を押す。吹き出しマークが無事画面に載っているのを確認して、慌てて電源を消した。
｢なんで消したん｣
｢わかんない、もうわからん｣
送信するのでさえこんなに緊張したのに、まだ告白もしなきゃいけないなんて。心臓の音がドラムを打つように身体中に響いている。熱を帯びた顔を冷ます為手で仰いでいると、急に携帯が振動した。驚きで｢ヒッ！｣と声が出つつ、鳴り止まない携帯を手に取る。
着信の相手は矢花くんだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 250人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しあわせならあくしゅしよ(プロフ) - ☆さん» （ ; ; ）ありがとうございます！お待たせしてしま申し訳ないです、書く気力がじわじわ戻りつつあるので最後まで楽しんでいただければと思います･･････‼️ (11月1日 19時) (
レス) id: 8632b5f5bd (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - すごく好きなお話です！更新楽しみにしてます💖 (10月30日 2時) (レス) id: 576c521bf5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うみ | 作成日時：2023年7月23日 21時
