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矢花くんとはそれから遊園地に併設されている牧場を見に行った。あの発言を聞いた後だったからどちらからも話しにくそうな雰囲気が流れていたが、
｢羊って毛固いんだね〜俺初めて触った｣
｢しかも剃らないと熱中症になるって毛の力凄まじい｣
｢凄まじいね･･････｣
｢何笑ってるの｣
｢小瀬さんツボなんだってば｣
意外にも羊の話で盛り上がりぎこちなさはすぐに無くなった。ワーワー言いながら園内を散歩していると『-30℃の世界を体感出来る！』と謳い文句のアトラクションが目に入る。懐かしい、小学生の時に行ったやつだ。懐古心が膨らみ、未だクスクス笑っている矢花くんを呼び止める。
｢ねえ矢花くん！あれ入りたい！｣
｢んぇ？うわ、これ懐かしい！-30℃の世界！｣
入ったアイスワールド、と呼ばれたアトラクションは私達を懐かしい気持ちに浸らせるのに十分だった。
｢さっむ･･････！寒いよ！｣
｢寒いね！風邪引いちゃいそう！あ、ペンギン！マンモスも居る〜。あれ、矢花くん！？｣
少し歪なペンギンの像がお出迎えしてくれていたので、駆け寄って見ていると矢花くんが隣にいない事に気づいた。周りを見渡すと彼は入口付近で震えて立ち尽くていた。
｢寒くて動けない･･････｣
まだ入口だし出るか聞いてみたけど、｢ここから出た時の外の空気が暖かいのを感じたい｣らしい。理由が不思議すぎる。彼は意を決したのか少しずつ歩き出した。噛んでいる唇が青いのが、矢花くんには申し訳ないけどとてもキュンとした。
｢矢花くんもうすぐ出口だって！｣
｢やった〜(泣)｣
半泣きでべそべその矢花くん。お化け屋敷あんまり得意じゃないって言ってたけど、無理矢理お化け屋敷に連れて行ってもこんな風になっちゃうのかな。可哀想だから連れていかないけど、ちょっと興味が湧いた。
出口に出てくると矢花くんは｢あったけえ〜〜〜｣と太陽に手を伸ばして目をぱちぱちさせた。まるで水を得た魚のよう。
｢最後の方走りたくなった｣
｢私も〜。ていうか矢花くんのさっき言ってた『寒い所から暖かいところに行くのがいいってやつ』さ、あれだね。逆サウナだ｣
｢逆サウナ？｣
私の言葉を聞いて意味を理解した矢花くんは、太陽に手を伸ばしたままこっちを向いて笑った。まだ少し青紫の唇に、向日葵のような温かみのある笑顔がおかしくて私も同じように笑ってしまった。
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しあわせならあくしゅしよ(プロフ) - ☆さん» （ ; ; ）ありがとうございます！お待たせしてしま申し訳ないです、書く気力がじわじわ戻りつつあるので最後まで楽しんでいただければと思います･･････‼️ (11月1日 19時) (
レス) id: 8632b5f5bd (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - すごく好きなお話です！更新楽しみにしてます💖 (10月30日 2時) (レス) id: 576c521bf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うみ | 作成日時：2023年7月23日 21時
