慕情燃え盛る ページ27
｢矢花くん！｣
俯いて携帯を見ていた彼は私の声に反応して、顔を上げた。矢花くんは髪を切っていた。目が隠れるぐらいの長い茶髪が眉毛あたりまで短くなって、全体的にスッキリしている。私に気が付くとはにかんだ笑顔を浮かべて、手を振っている。可愛い、可愛すぎる。
｢髪切ったんですか！｣
｢切りました！若干暗めにも･･････｣
｢暗いのも似合いますね、すてき｣
｢あっ、ありがとうございます･･････｣
照れて前髪をこねくり回す矢花くんは、着ていた洋服を整えて｢行きましょうか｣と歩き出した。私も隣を歩くようについて行く。
｢あの、小瀬さんの服も似合ってます｣
｢ええ！！！ホントですか？｣
｢はい、めっちゃ。･･････え？これセクハラになります？｣
｢ならないです｣
絶妙な雰囲気の中、服を褒められて驚いてしまった。セクハラかどうか疑わしそうに口を開く矢花くんは、私の回答にホッとしている。女の子の服を褒めるとセクハラになると思っているんだろうか。矢花くんの思考回路に思わず笑みが零れた。
最高に楽しい一日の幕が開けた。
＊
待ち合わせした駅から遊園地まで距離があるから、電車で向かう。矢花くんは予め｢ここに行きたい｣というのを決めていたようでスマホで見せてくれた。2人で目処を決めているのさえ楽しい。
話題が変わろうとしている時、ふと以前から頭の中にあった事を矢花くんに伝えてみることにした。
｢そういえば矢花くんと遊ぶ、ってなった時に言おうかなと思ってたんですけど｣
｢ん？なんですか？｣
｢そろそろ敬語無しにしません？｣
驚いた表情を浮かべる矢花くん。｢ああ〜･･････！｣と椅子に靠れている。私は友達との会話に敬語を使わないタイプなので、矢花くんと話していると敬語のせいかどうしても距離を感じることが多かった。
｢矢花くん敬語大事にする人ですか？｣
｢いや！友達だと全然タメ口で話してます。小瀬さんが良いなら寧ろそっちの方が嬉しい、うん｣
｢じゃあここからは敬語無しで！同い年だしね、自然｣
｢そ、そうね！そうよね｣
｢あはは！矢花くんそれ口調変わってるよ｣
ずっと続いていた敬語が外れるのは結構気恥ずかしいもので。抜けきらない部分もありながらも、慣れてくると2人のテンションも再び波に乗ってくる。勇気を出してよかった！心の中でガッツポーズを決めた。
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しあわせならあくしゅしよ(プロフ) - ☆さん» （ ; ; ）ありがとうございます！お待たせしてしま申し訳ないです、書く気力がじわじわ戻りつつあるので最後まで楽しんでいただければと思います･･････‼️ (11月1日 19時) (
レス) id: 8632b5f5bd (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - すごく好きなお話です！更新楽しみにしてます💖 (10月30日 2時) (レス) id: 576c521bf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うみ | 作成日時：2023年7月23日 21時
